源三郎江戸日記(弟四部)23 二日目の昼過ぎに石垣島に着き上陸すると薩摩の役人が幕府の軍船がここまでようこられた、島役人の近藤ですと言うので、国家老のお墨付きを見せて、わしの指図に従


源三郎江戸日記(弟四部)23


二日目の昼過ぎに石垣島に着き上陸すると薩摩の役人が幕府の軍船がここまでようこられた、島役人の近藤ですと言うので、国家老のお墨付きを見せて、わしの指図に従うのだと言うと、

ハハッと頭はを下げたのです、まずはマラリアについていじあが、ここにはみかんの木あるかと聞くと、ございますと庭を指差すので、みかんの柑橘系の臭いは蚊よけになり手足に塗れ、

ば蚊に刺されないのを知っておるかと聞くと、


ハイ山に入るときには塗りますと言うので、この辺にはいないのかと聞くと、昼間はいませんが夜になると出てきますと言うので、夜はどうしているのじあと聞くと、よもぎの葉を慰撫、

しますと言うので、蚊帳はないのかと聞くと金持ちは持っていますが、島民の殆どはもっていませんと言うので、何人住んでいるのだと聞くと、各集落合わせて1万人程ですと言ったの、

です、


税は何処に納めているのじあと聞くと、琉球国にです、わたしは島の治安と砂糖の生産の監視をしているのです、薩摩の藩士と手代が10人程いますと言うので、税は4公6民かと聞くと、

そうです、但し取れ高ではなく1人と言う事になっているそうですと言うので、取れ高ではなく固定と言う事じあなと聞くと、そうですが、赤子から年寄りまで総てから取るそうです、

というので、


それはひどいなと言うと、琉球王の決められた事で薩摩は口出し出来ませんと言ったのです、そうしないと琉球は薩摩に納められぬのであろう、米はと聞くと多少は作っていますが殆ど、

琉球本島から買っていますと言うので、税が一定なら砂糖の生産を上げて、稲作を進めれば島民は豊かになるなと言うと、稲作で砂糖の収穫が落ちるとわたしが責めを負わされますと、

言うので、


心配するな砂糖は一日2石しか生産できぬであろう、それを5石に上げてやる、さすれば余裕が出るので稲作も出来るであろう、又稲作も工夫して手間がかからないようにしてやろうと言、

うと、そんな事が可能なのですかと言うので、名主、鍛冶職人、大工、網元を集めろと配下に呼びに行かせたのです、みんなに念の為手足首胸にみかんの葉っぱの汁を塗らせたのです、

みんなが集まったので、


まずは砂糖車を以下のように改造しろと鍛冶職人と大工に言うと、なる程これなら倍の生産になりますと言うので、つぎは牛に引かせるのではなく水車にするのだ、ついでにその水車で、

水をくみ上げて潅漑の用水路に流せば、水枯れする事はないし、人出も少なくて済む、さらにもう一工夫して水車に歯車をつけて手でいれなくて済むようにこうゆう風に工夫するのじあ、

こうすれば、


砂糖きびを載せておけば自動で引きこまれるので更に効率があがり、引きこまれる等の怪我はしないと言うと、みんなの目が点になっています、網元には千石船一隻をやろう、この船は、

風が前から来ても進めるし、方位磁針計を備えているので台風以外は夜でも走る事が出来る、砂浜の海に丸太を打ち込みイケスを作り、取れた魚を生きたまま放しておき定期的に出荷す、

るのじあ餌は米ぬかで良い、


また稲作にはこの絵のようなスキを作り馬二頭に引かせれば早く水田を耕せて手間は半分以下ですむ、害虫よけにアヒルを放し飼いにするのじあ、又周りを暴風林で囲めば台風よけに、

なる、千石船は魚は生きたまま運べる工夫がしてあるので、那覇までは2日、台湾までは1日で運ぶ事が出来る、又米は島民が食する分を作れば良い、多く作り那覇や薩摩に売っても、

良いぞ、


これに掛かる費用2千両を名主に下し置く、千石船は本土からここに回港して操船などを教える事にするぞ、さらに全島民に蚊帳を支給せよというと、名主が2千両あけば余りますという、

ので、残ればこの島の為に使うが良い、これで税が固定なら島民は潤うであろうと言うと、ハイ、十分暮していけますと言うので、ここに薬草の本があるこの島にも探せば沢山あるじあ、

ろうと名主に渡すと、


これは分かり易いですね、しかも南蛮の外科手術も書いてありますなと言うので、医師がいなくても名主にも出来るぞと言ったのです、さらに漁師の小型船にも工夫してやろう、さすれ、

ば漁が楽になるぞと言ったのです、後はここにふんだんにある珊瑚を使った、飾りものじあ、数珠、首飾り、腕輪、指輪、等を作りシナや南蛮船と交易するのじあよ、ここは琉球国の、

統治だから、


密貿易にはならぬと言うと、それもお許しくださるのですかと言うので、税も増やさないように、わしが朱印状を書いてわたすぞと言って名主に渡し、琉球王は認められておると言った、

のです、名主がこれで間引きしなくてよくなりますと言うので、せっかく出来た命じあみなでいつくしめと言ったのです、七衛門船の件は頼むぞと言うと、大阪に帰りましたら手に入れ、

てここに回港させて操船を教えますと言ったのです、


七衛門が網元の家に行き小船一隻を改造して、他の船もこのようにしろと操船を教えると、これは便利ですなと愕いていたのです、旅籠はあるのかと聞くとありませんが、シナの使節の、

逗留する屋敷があります、今日はそこにお泊りくだされと言うので、それは助かる、ところでこの島には川はあるのかと聞くと、ハイ、水は豊富ですと言うので、逆に蚊も発生し易いわ、

けじあなと言ったのです、


他の島にも今の工夫を教えてやれ、もうかったら資金も分け与えよと言うと、名主がハイ八重山諸島に沢山の島がありますみんなに教えてやりますと言ったのです、船から2千両と米100、

俵を卸して、名主に渡し、米は全島民に少しづつだが分け与えよと言うと、みんなが涙を流して喜びますと言ったのです、みんなで一旦屋敷に入り湯にはいりさっぱりして町に巡察しに、

出たのです、


この町がこの島で一番大きいのじあな、意外と賑わっているではないかと言って、居酒屋に入り酒と肴を注文すると、さんしんはどですかと女中がいうので、やってくれと言うと1人の、

女がさんしんを弾き、男が島歌を歌ったのです、言葉は全然わかりません、弾き終わったので2朱銀を渡すとこんなにと言って喜んだので、その言葉はシナ語かと聞くと、琉球弁です、

さっぱりわからなかったでしょうと言うので、


まあ飲めと2人に言うと、女中が酌をしたので飲み干し、これは島の恋歌です、妻子のある男に島の娘が惚れてこの島を出て行くと言う歌ですと言うので、何処にも男と女の物語はあるの、

じあなと言って、捨てられた妻や子はどうしたのだと聞くと、他の男と一緒になったと言う歌詞ですと言うので、それはめでたし、めでたしじあなと言うと、沢山貰いましたのでもう一曲、

と歌い始めたのです、


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