BLOOD HERO'S
慶名 安
episode0「黒炎の檻」
---ここは、何処だろう? 仰向けの状態で俺は倒れていた。立ち上がろうにも全身の痛みに苛まれている。
熱い! 背中が焼けるようにもの凄く熱い!
そんな痛みを感じながら見る星空は俺の今の状態とは関係なく綺麗だった。しかしそんな綺麗な星空とは裏腹に周りは黒い炎に囲まれている。
ここは建物の焼け跡か? ドーム状の骨組みの一部が焼けているのが見えた。大分焼けて今にも崩れ落ちてきてそうだ。
早く逃げないといけないが、体が全く動かない。その上もう火の手が周囲を覆って今立ち上がれたとしても逃げるのは厳しいだろう。
声も出ない。これじゃあ助けも呼べない。
腕も上がらない。これじゃあ力も入らない。
俺はただ星空を眺める事しか出来ない。でもこんな最後も悪くないかもしれない。
ああ、もっと俺に力があれば…
ああ、死にたくねぇ。
密かに弱音が溢れると微かに涙が流れ落ちてくる。
そして崩れ落ちた一部が俺に向かって落ちてきた。
---ドシャアアアン!!
黒い炎と黒い煙が更に立ち込めていく。
それはまるで黒炎の檻の様だった。
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