第31話 ハートを貫いた苦しみと愛の銀の矢

一生懸命生きてきた。


門が前に見える。


ゴールが近い。


梅の花が咲き誇る季節。


矢が飛んでくる。


主客がひとつとなって、


何一つ失ったのではなかった。


全てを失ったから。


愛の幸福な記憶。


あんな残虐なものに身を浸してきた恐れ知らずな愚かさよ。


肉を切られて骨を絶つように、


自我はもう削りつくされてわずかしか残っておらず、


安らぎの泉はもう目の前に輝いていた。


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