第3話
銃弾はすさまじい発射音を建物の内部に反響させながら僕の方向に向かって鉛色の金属物体が飛んでくる。貫通力は炸薬量と銃身の長さに比例して、僕が背にしていた大理石の柱や机を一分もかからず、小石サイズに裁断していく。僕はヒットアンドアウェイの要領で敵の攻撃を障害物で盾代わりにしてかわし、持たなくなって別の場所に移動する合間に銃口を敵の防御しきれていない部分に銃口を向けて引き金を引く。放たれ銃弾は、敵の脇バラや足に当たると赤血球やヘモグロビンで着色された液体と風船のように膨らんだ柔らかい肉の塊が飛び出てきた。その時の相手の反応は様ざまで、血を吐きながら飛び出た自分の肉を回収して、中に入れようとしたり、太ももから噴水のように噴き出る液体を抑えて泣きわめいたり、中には頭の上半分が破壊され、中の脳みそと眼球が地面にまき散らされたようになった肉体もあった。
「さすがに、敵は多くなったな。」
僕はトルティージャにつぶやいた。
「このままだと勝ち目はゼロだね、何か爆発物を使えば好転できるかもしれないけど。」
僕はそれを聞いて手榴弾か何か持ってくるべきだったと後悔の念を頭の中に擡げたが、いまさらどうこう言っている場合ではない、何か方法はないのか僕は頭の中の機械をフルに使いこの建物の見取り図などを調べた。その中にスプリンクラーが設置されていることにかが付く。僕はすぐに敵から逃げるふりをして、敵追誘き寄せることにした。案の定、敵はすぐにこちらの動きに呼応して後を追い始めた。
建物の奥まったところまでたどり着くと僕は敵がやってくるのをただじっと待った。敵はすぐにやってきて不敵な笑みを僕に向けて、ライフルを一斉に向けた。僕はすぐに身じろぎもせずに銃口をスプリンクラーに向けて引き金を引く。最初の一発は効力こそなかったが、続けて二発三発発射してスプリンクラーが起動した。そのスプリンクラーは水ではなくガスで消すタイプで一瞬にして、生き物が生きるのに必要な空気の比率を大きく逆転させ、僕以外の人間は肺に入れる酸素を求め倒れこみ、よだれを垂らしなら持っていた銃を離して、喉元を抑え込んでいた。僕はというとトルティージャの酸素マスクで、平然とこの窮地を脱しのたうち回る彼らをしり目にぼくはその場を離れていった。
「イーター、目指す場所はわかっているかい。」
「ああ、まずは監禁されている子供達のところへだろ。」
僕はそう言って頭の中の地図を視覚化して、内部を確認した。僕がここに来たのは軟禁され商品化されているであろう子供達を助け、証言台に立たせること。そしてここに関するデータを入手しそれを証拠に提出することであった。
視覚化して確認したところ、三重にもわたって偽装された扉があり、その先に彼らの「商品」が入るというのだ。
「場所はどこにあるの?」
トルティージャが質問する。
「この先の特等室みたいだよ。」
僕はそう答えると足早にその部屋に向かった。僕の後ろではよだれを雨粒の水滴のようにたらし、しぼ声を絞り出しながら、助けを求めていた。
僕はそのような声をしり目に目的の場所にたどり着く、鍵はカードキーだった為簡単にハッキングして、電子ロックを解除して中は豪華なつくりで、バーカウンターが備え付けられていた。
僕は部屋のい入ると高級ウィスキーが置かれたボトルを傾けた。引き抜いたところから音が聞こえたかと思うと、向かいに飾られえた大きなレリーフの掲げられた壁が大きく横に動き、そこから巨大な空洞が姿を現した。それは吸い込まれるかのように暗くそこが全く見えなかった。
「行ってみるかい?」
「当然。」
僕は心の中にあふれ出る好奇心を押さえつけながらも暗闇の中に銃に備え付けられたフラッシュライトを点灯させて入っていった。
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