恋の音色

蔦屋坊

第1話

 窓が開いている音楽室から、心を癒すような暖かい音色が聞こえてくる。

 僕はそれを聴きながら、いつも図書館で本を読む。しかし、今日は本を持って音楽室へ行く。


「今日も良い音だね」


 僕は彼女に問いかける。すると、彼女はにっこりとし笑顔で答える。


「そうでしょ。でも珍しいね、ここにたっちやんが来るなんて」


「まぁね。たまには、利佳がピアノ弾いてるのを生で見るのも良いかなっと思ったんだよ」


 実を言うと僕は利佳のことが好きだ。僕と利佳は幼稚園の頃からの幼馴染みのようなものだ。二人とも運良く中高一貫の中学に入学でき、なんだかんだで高校一年まできてしまった。

 正直なところ、小学生の頃から利佳のことは好きだったのだが勇気というものに縁がなく今まできてしまった。


「ねぇ、そういえばさ。今度市民ホールでコンクールがあるんだけど、見にこない? そのコンクールで入賞できたら全国のピアノコンクールに出場できるんだ〜」


「それはすごいね、絶対見に行くよ!」


 この時、僕は決心した。コンクールの日になるまでに利佳に告白すると。なぜなら、僕に残された時間はもう少ないのだから。


〜あとがき〜

 初めての方は初めまして。こたつです。

 今回はカクヨム甲子園に出すために書きはじめた小説です。今回の作品は少し挑戦して、自分が試したいと思った展開をどんどん入れていこうと思います。

 次回も楽しみにしていただけると幸いです。

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