第147話徹也が葉月に会いたいと

 健が徹也の相談に快く応じるようにまた、健の悩みごとなどを気軽に打ち明けることが出来る相手も、同じく徹也であった。

 健は徹也には、自分の父親が再婚して、相手の健の新しいお母さんには『葉月』という女の子の連れ子がいることを、既に健は徹也に伝えてはいた。

 とある日の夜に、徹也と健は電話でお互いの近況を話を交換しあっていた。

「で、どんな感じなんだ? その『葉月』っていう女の子とは」

 徹也が健にそう聞くと、健は、

「まあまがいなりにもお姉ちゃんの方が、俺よりか一歳年上だからね。いつもお姉ちゃんに振り回されているような……そんな感覚だよ」

「そうか……俺的には一度会ってみたいね。その『葉月』っていう健のお姉ちゃんとさ……」

 それを聞いた健は徹也に、

「わかった。これからお姉ちゃんに、その話をしてみるよ」

 そう言って健は徹也との電話を切った後で健は葉月に、健の友人と一度会ってもらえないか? とおそるおそる聞いてみた。すると葉月は以外にもあっさりと、OKの返事を返してきた。


 こうして徹也と健、そして葉月は、葉月が通っている大学の近くのファミレスで、実際に三人で会うことになった。

 そこでの三人の話の場で、特に記憶に残ることとして……という意味では、特に印象に残るものはなかった。ただはじめて出会った者同士が、徐々に打ち解けていくプロセスを感じる……そんなイメージではあった。

 その夜、徹也は健に電話を架けた。もちろん、今日会った葉月のことについて……ではあったが、徹也からすれば、葉月は、

「良い感じのお姉ちゃんで、正直な話俺はホッとしたよ! 健のお姉ちゃんが仮にも絶滅危惧種のギャルだったり、あるいは高飛車な感じの女の子だったら、どうしようか考えていたぐらいだったからね!」

「まあ俺なんかは今でもお姉ちゃんに、振り回されているところは、あったりもするのだけれどね」

 そんなたわいもない話をお互いにし合って、徹也と健は電話を切った。

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