第102話鹿島神宮へ初詣その4

 まあこういったトラブルめいたやりとりはあったものの、二台は何も事故などを起こすことなどなく、鹿島神宮駅の駅前の駐車場に着いた。この駐車場は普段は駐車料金を取っているみたいなのだが、鹿島神宮に初詣に来る人のために、この深夜の時間帯は、駐車料金を取っていないようである。かなり大きな駐車場であるためか、二台の車を止めるスペースは十分にあった。

 出発の時間が予定より少し遅れたことと、駐車場を探すのにカーナビに頼ってグルグルと回ってしまったせいか、ハッピーニューイヤーは、鹿島神宮の参拝の列に並んでいる最中で、迎えた。

 そうこうしているうちに、いよいよ瞳たちの参拝の順番がやってきた。瞳が雪絵に念を押すように、

「ユッキーいい? ちゃんと今度こそ慶応に受かりますように! って、神様にお祈りするんだよ!」

 それを聞いた雪絵は一言、

「うん……わかっている……そこのところは……大丈夫……」

 と、瞳に届くかどうか微妙な声量で、雪絵は瞳に返事を返した。

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