第100話鹿島神宮へ初詣その2

 さてとうとうその肝心の大みそかの日がやって来た。瞳は事前に徹也と健にも誘いの電話を入れていた。二人ともOKの返事を返したが、問題は車であった。さすがに車一台に六人は乗れないので、徹也と健は健の実家の車に乗ってきてもらうことにした。

 瞳と雪絵、園里と今日子は瞳が自分の車を出すという。瞳は中古車ではあったものの、念願のスバルの車を、既に手に入れていた。

 午後五時に、瞳の家に集合した瞳を含めた六人は、瞳の母親が振る舞う年越しそばを食べた後、車は二台に分かれて、一路鹿島神宮へと向かった。

 ……と、こう話は単純に進めば良かったのだが、雪絵と園里、そして今日子が乗る瞳が運転する車は、瞳はかなり乱暴に運転している。

 その乱暴さを感じ取ってから間もなくして、園里は瞳に、

「ちょっと瞳、あなた運転が乱暴過ぎよ! もっと丁寧に運転しなさいよ!」

 園里がそう瞳に注意を促す。すると、瞳は、

「そいつは出来ない相談だね! このぐらいの運転じゃないと、アグレッシブが出ないのよ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る