第82話園里の自作パソコンその6

「じゃあ……早速だけれども……組み立てに入るわね……」

「この場で?」と園里はビックリした様子で聞き返すと雪絵は、

「奥の部屋に組み立てるための専用の部屋があるの……自分で組み立てるのに自信がないお客様に……有償でスタッフが代わりに組み立てを代行しているんだけれども……普通は組み立てに別途お金を頂くんだけれども……今日は園里のパソコンだから……組み立て代はいらないわ……」

 奥の『組み立て部屋』はやや薄暗かった。雪絵はまず水道の蛇口に、約十秒ほど蛇口を握る。

「まずこうやって体内の静電気を逃がすのが自作の基本なの……これを怠ると自分が持っている静電気で……パーツを壊しちゃうからね……」

 そう言って自分の体の静電気を逃がした後、雪絵は慣れた手つきでパソコンを組み立て始めた。その動きに一切の無駄や戸惑いがない。おそらく相当数のパソコンを自分自身で組み立てててきたのだろう。

「昔はCPUの取り付けなんて……面倒極まりなかったのだけれどね……時代の進化なのかな?」

 ものの一時間かかったかかからないかぐらいで、パソコンは組み上がってしまった。ディスプレイをつなげて、OSをインストールする。

「今のWindowsのOSって……インターネットによる認証が必須だからね……と言っても海賊版とかを使ってなければ……特に何も怖いことはないのだけれども……」

 雪絵は本当に慣れた手つきでOSをインストールして、またOSと同時購入のマイクロソフトのOfficeを入れる。一応PowrePoint付きである。

「それと……」と言って雪絵は、

「この『POWERDVD』ってソフト……これがブルーレイ見るためのソフトだから……といっても、ブルーレイのディスク入れたら勝手に起動して……再生してくれるからそんなに心配しないで……あとブルーレイはときどき……再生するためのキーコードが変わるのだけれども……ソフトの指示に従って……キーコードを更新すれば良いだけの話だから……そこはそんなに難しくないから……そこのところは安心して使ってくれれば良いから……」

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