獄炎の業火

カスタードプリン

業火編

第1話始まりの1日(修正版)

2020年7月24日

この日は、東京五輪の開催日。

国立競技場は、世界中の多くの人で盛り上がっていた。


この日を言葉で表すなら、

「祝い」や、「幸せ」などが、

ピッタリだった。


しかし


運命から当てられた文字は、

「絶望」だった。

なぜなら、その日隕石が落ちたのだ。

隕石の大きさは、月と一緒ぐらい、

落下地点は、「東京」。

その事件により、全人類、ほとんどの生物が絶望したのだった・・・・


その後は、分からないらしい。


しかし分かることは、昔の人間は、ここには居ないこと。

人類は事件後、ある能力を持つようになった。


例えば、火を出したり、体を鉄の様に硬くするなど。

そしてその能力を人々は、

能力<スキル>と呼ぶようになった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺の名前は、氷河火炎。

能力は、「業火」。

自慢だが火の能力の中では、

TOP10に入る程強い。


「キーンコーン カーンコーン」

毎日必ず聞く学校のチャイム。

いつも授業の始まりという絶望と、

授業の終わりと帰りという喜びを

伝えてくれるやや高い音。

この音を聞き

「帰ろー」、「先に行ってるからな」

などという声や、片付けの雑音で

教室は満ちていた。


「おい帰ろうぜ」

いつも聞いているやや低い声。

しかしその声は耳にすんなり入ってくる。

こいつの名前は、音色響喜

能力は、「音」。


「おう」と、片付けをしながら返事を済まし、片付けを終わると立ち、教室を出た。


校門前、響喜とどーでもいい話をしながら歩いていた。

不意に肩をたたかれ振り向くとそこには

つやのある黒髪、その髪は、ふわっとしたボブ。

顔は丸めだが、小さくその代わり、

目はぱっちりとした二重の大きな目。

嫌らしいが胸も大きく、女としても魅力的だ。


彼女は、雨風雫。

能力は、「雫」

彼女は、とても可愛いく、優しい。

学年いや、学校のマドンナ的存在だ。


そんなマドンナがよく一人で、今日みたいに話しかけてくる。

そしていつも思うのだが

なぜ俺なのだろうと。

俺がすば抜けてイケメンってことは ないし、

俺がクラスで人気ってこともない

「なぜ?」そんな言葉がよく頭の中で流れてくる。


「火炎君、今帰るところ?」

肩に手をあてたまま顔を斜めにしたまま聞いてきた。

近い‼胸があたっている。

こんなのどんな女子でも、固まってしまう。

しかもそれがマドンナとなると話は、別だ!


硬直した足を無理矢理動かすと半歩後退りし、「うん」と質問の返事をした

「そっかじゃあ一緒に帰ろう」

そういうと雫が、下がった半歩分の2倍近ずいてきた。

俺は胸の鼓動を押さえつつ、振り向き、

不意に空を見た。

理由は、ないがこの日々が続くことを

考えた。

しかし


俺の非日常が始まったのはこの日だった。始まりの1日となった。

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