始まりの塔 2
女王は男達3人を見つめて、
静かに語り始めた。
「お前たちはいまから神の手伝いをするんだ、そこのちびっこい黒いのはさぞかし不服だろうがね」
『誰がちびっこい黒いのだとぉ!?不服なのは当然だろう!!!!!!』
足下の影からずるずると生えてきたのは俺のコピー体のセルリアン、シキリアンと呼んでいる。
「神の手伝い…ってどういう事ですか?」
烏先さんが口を開けた。
「簡単に言えばフィルターを展開するときに必要な人数の数合わせだ、そんなに気張らなくても大丈夫。貰った鬚とかあるだろ?アレを手に握って火口に向かって跪いとけばソレで終わり。大した事ないさ。」
なんだか釈然としない、と顔に出す3人。
かく言う俺もさっきから引っかかっている。
「黒い巨塔…」
思わず口走ってしまった。小さく出た音であり、火山の噴火が今も背後でゆっくりと発生している状況で聞こえる声ではない。
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「それにしてもこの塔は本当に大きいですねぇ…!僕の父はしっかりてっぺんまで上ったらしいけど、ただ登るだけじゃ無いだなんて考えらんないなぁ。僕、泳ぎは得意ですしスタミナとかは結構あると自分でも思うけれど、やっぱりふつうじゃ無いです。」
「私たちがここに来た理由は、そんな自慢話を聞く為じゃ無いんだけど。まぁウチのパパもアンタのパパの事は褒めてた」
「ソレより…早く行こうよ、てっぺんまで遠いし、飛んでいくでしょ…?」
「モチ~、私らペンギンだしさ。」
「だよね…行こ。」
「僕もいること忘れないで貰えます~!?」
ここはジャパリパーク、キョウシュウエリア
僕の父は研究所に勤めている。
僕の母は今日もみんなに笑顔を届けている。
僕らTri-half《トライ-ハーフ》は
今日もフレンズ達の、パークの平和を守るために戦っている。
僕らが生まれる前に出来て、僕の父達の手によって海に突き刺さる形でその姿を今に残す「黒い巨塔」。
火山のフィルターはあれどセルリアンは居る
僕たちは戦う。
「アンタ、どっちか言うと静かな方だし。
まぁ私達に覚えて貰えてるってだけでも感謝して貰いたいわね。」
この大口を叩くのは、
オスとメスのフンボルトペンギンの間に生まれたフレンズ。
名前を
「酷い言い方するね…あっ、私はそう思ってないよ、私の大事な仲間。ね?」
こっちの優しい子は、
サーバルキャットとヒトのハーフ
名前を
そして僕…
まぁ僕も女だけど。
僕はヒトとジェンツーペンギンのハーフ。
僕の名前は
ハーフらしくちゃんとサンドスターは体内にあるし、ハーフらしくちゃんとしっぽもあるよ。ピコピコ揺れます。はい。
「…!今セルリアンが見えた!急ごう!」
「りょ!」「はいッ!」
「「「Tri-half! Ready?」」」
僕らは腕に巻き付けた機械にこう叫ぶ。
「「「装着ッ!」」」
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