新人賞の不都合な真実①~パレートの法則から確率論で見てみる

 愚生はいままで、30回已上、新人賞に応募してきた。

 落選するたびに、各作品の分析をしてきたが、全軆的に統計をとっているうちに、面白いことに気付いた。

 パレートの法則という、ビジネスマンの人口に膾炙された法則がある。

 世間の物事のほとんどは、80:20の割合にわけられるという。

 新人賞の予選通過傾向に、この法則が見事にあてはまるのだ。


 以下は愚生、九頭龍一鬼の新人賞応募爾時の一次選考通過回数の統計である。


文學界新人賞 14回応募中2回通過(一次通過1回、二次通過1回)

群像新人文学賞 7回応募中3回通過(一次通過2回、二次通過1回)

新潮新人賞 1回応募中0回通過

すばる文学賞 2回応募中0回通過

文藝賞 2回応募中0回通過

日経「星新一賞」 3回応募中1回通過(最終候補1回)

日本ホラー小説大賞 1回応募中0回通過

ハヤカワSFコンテスト 1回応募中0回通過

創元SF短篇賞 1回応募中0回通過

総数 32回応募中6回通過

一次通過率18%


 うち、星新一賞応募作のなかで落選した二作は、応募後に文字数超過だと気付くミスがあり、これをのぞくと、

総数 30回応募中6回通過

で一次通過率は丁度20%である。


 此処で、応募総数2000篇、一次通過50篇、最終候補5篇、受賞1篇として計算してみる。


一次通過確率 

50/2000=0.025

十回応募した場合 

0.025*10=0.25


 畢竟、十回中二回程度は一次を通過することになる。

 パレートの法則どおりである。


 二次通過50篇のなかで受賞1作になるには、十回で20%である。


 これもパレートの法則どおりだ。


 新人賞を受賞する確率は単純明快で、1/2000なので、2000回応募すれば1回『程度』は受賞できることになる。


25%/10*20%/10=0.05%

なので、

=1/2000=0.05%

という理窟になる。


 数学に疎いので、後半は幾許か無理矢理な計算になってしまったかもしれないが、結句、新人賞は確率の問題だと御理解いただけるだろう。

 次回は『プロとは何者なのか』について確率論的に考覈してみたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る