第8話 大きなライラの背中
ライラはノノの家に住むことになったが、騎士団の方々は王都ディアスに帰っていった。
大人たちは、ライラにおっかなびっくり接しているが、子供たちには、フライの魔法で空をとばせてくれたり、水魔法をぶつけてくれたりするので人気者だ。
いつからか、ピンクの子ブタが僕のベットの下に住み着いていた。村で唯一の養豚をしているロドリゲに確認しても、うちの豚じゃないと言われたので、うちで飼えることになった。親からだされた条件は名前を付けないことだった。子ブタは抱いて寝てあげると、ブヒッブヒッと、とてもうれしそうにするのでついついなでくりまわしてしまう。
スキルも日々使用しているので、コツコツと成長している。
スタンピード以来、モンスターは荒れていて、いままでに見たこともない凶悪なモンスターも現れるが、ライラがあっさりと倒してくれるので被害はでていない。
「今日はスーパーゴブリンごっこをするのじゃ!わしがゴブリンになるから、みんなは魔力の身体強化をして逃げるのじゃ!」
「「「わーい!!!」」」
村の子供たちは、ぴょんぴょんと草原に散っていく。
「ではいくのじゃ!≪魔力強化≫≪身体強化≫≪3倍速≫」
「うわぁ!!きたねぇー!!3倍速までつかってる!!!」
「がはっはっは!!!使えないほうが悪いのじゃ!!!」
分身スキルやジャンプスキルを持っている友達が次々につかまっていき、最後に疾風スキルをもつ15歳のスンゴロが粘っていたが捕まったところで終了となった。その後、スンゴロがヒカリゴケが大量に発生している穴場を見つけたというので、みんなでヒカリゴケの採取に向かった。
「ここだ!どうだ!すんごいだろ!」
スンゴロが胸をはって自慢するのも納得だ、双子山の麓にある入り組んだ崖にびっしりとヒカリゴケが生育している。
「こ、これは!まとまるのじゃ!障壁をつかえるものは直ぐに障壁を発動するのじゃ!」
「ライラおねーちゃん?」
「これは、ヒカリゴケではないのじゃ!ミミックが吐き出した金の
みんなで注意して周りを観察すると、ひときわ輝いている場所に立派な宝箱があった。
「ここは俺が教えたんだ!アレは俺のもんだ!」
「ま!まつのじゃ!」
スンゴロが宝箱に向かって飛び出していく。スンゴロは村の子供最速である。宝箱に一直線に向かっていく。
ライラが後を追うが、スンゴロが宝箱を触った瞬間、宝箱は大きな口を開いて襲いかかる。
ライラがスンゴロの背中をつかんで後ろに放り投げるが、ライラはバクリと噛みつかれ、上半身は箱の中に納まってしまう。
スキル!≪ミミックファング≫
422のダメージ!
付属効果で噛みつき対象者の行動停止
ライラ HP 2700→2278
「あ、あ、あ、お、俺、あ、あ…。」
「ぼーっとしてる場合じゃないよ!ライラおねーちゃんを助けるんだ!!!」
スキル!≪超異次元召喚≫タマポチ!!
ビシィビシィビシィビシィビシィビシィ…
頭上の空間が大きくひび割れていき、猫と犬が飛び出してミミックに攻撃する。
テシ
テシ テシ
ワンワン!!にゃんにゃん!!
テシ テシ テシ
5ダメージ!
6ダメージ!
6ダメージ!
1ダメージ!
2ダメージ!
2ダメージ!
トータル 6ヒット 22ダメージ
付属効果で攻撃力弱体90%
ミミック HP 999→967
子供たちが次々に攻撃していく。
トータル 18ヒット 87ダメージ
ミミック HP 967→880
「硬くて全然ダメージが通らないわ!」
「あきらめちゃダメ!」
「火魔法は?!」
「ダメよ!ライラおねーちゃんのおケツが燃えちゃうわ!」
「男子!こんな時にライラおねーちゃんのおケツ見すぎ!」
「「そ、そんなことしてない!」」
スキル!≪ミミックファング≫
34のダメージ!
付属効果で噛みつき対象者の行動停止
ライラ HP 2278→2244
テシ
テシ テシ
ワンワン!!にゃんにゃん!!
テシ テシ テシ
7ダメージ!
5ダメージ!
6ダメージ!
3ダメージ!
2ダメージ!
3ダメージ!
トータル 6ヒット 26ダメージ
付属効果で攻撃力弱体90%→トータル99%
ミミック HP 880→854
子供たちが次々に攻撃していく。
トータル 18ヒット 112ダメージ
ミミック HP 854→742
一番ダメージを与えていたスンゴロの攻撃を嫌がったのだろう、ミミックが対象をスンゴロに変えて攻撃するため口を開いた。その瞬間、膨大な魔力をライラが爆発させた。
「子供たちには指一本触れさせないのじゃ!!!!」
≪3重詠唱≫≪エナジーボルト≫!!!
278ダメージ!
212ダメージ!
294ダメージ!
トータル 3ヒット 784ダメージ
ミミック HP 742→0
―― 1体のミミックを倒した。
―― ティファはレベル12に成長した。
―― ゲッコーはレベル11に成長した。
―― カインはレベル11に成長した。
―― サイファはレベル13に成長した。
「みな!ケガはないか?全員無事じゃな?」
子供たちはこくこくとうなずく。
「う、、、う、、、うわーん!!ごめんなさい!ごめんなさーい!うわわーん!」
ミミックが消滅したことで安心したスンゴロが大泣きをしはじめた。
「よいよい。それより、ホレ。」
ミミックの消えた後に一本の剣が現れていた。
「ぐすん。ぐすん。い、いいの?」
「飛び出した行動は、褒められたものではないが、ドロップは発見者のものじゃ。それはそれ、これはこれじゃ。ハーハッハ!」
「ライラおねーちゃん。ピカピカに光ってるヒカリゴケもどきは持って帰ってもいい?」
「やめておいた方がよいのじゃ。幻覚作用が切れたらとても臭いからの。」
子供たちは次々とインベントリからヒカリゴケもどきを捨て、手についた匂いに顔をしかめるのであった。
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