第17話 論理値に影響する管外即今縁
ここでは基礎モデルでは欠落している要素について説明しておきます。
まず基礎モデルの外部についてです。基礎モデルはひとつの論理集約点を頂点とするピラミッド構造を持った論理集約点の集合体として表現されていますが身の回りの現実世界にはこのような独立したピラミッドは存在しません。
例えば人間であれば人間が宇宙に一人だけいるのではなく人間を取り巻く環境の中に身をおいています。当然この環境とも即今縁があるのです。
ある論理集約点Aを人間だと考えてください。人間の体を構成する即今縁は関係値の高い即今縁です。例えるなら太い線で結ばれているのような状態です。私たちはこの太い線の中だけを独立した生命体と考えていますが現実には周囲の環境とも関係性があります。人間は周囲の環境と関係値の低いかすかな即今縁で結ばれているのです。つまり周囲とも細い線で結ばれているのです。縁観論では太い線と細い線に本質的な違いはないと考えます。ただ人間の体を構成する即今縁は一連托生レベルの非常に強い即今縁であり一方周囲の環境とは非常に弱い即今縁で結ばれているため便宜上、境界があると考えるわけです。
縁観論においても解説の便宜上、物質や個体と理解されているものを独立したモデルとして説明します。しかし現実には個体とされているものの外部にも即今縁は広がっておりこれを管外即今縁と呼んで区別しています。そしてある論理集約点に注目すると当然に管外即今縁が論理値に影響を及ぼす訳です。
別な表現をするとどこが頂点であるかを決定することはできないということです。人間は独立した一人の人間として考え行動していますが周囲の環境の一部でもあるわけです。そして頂点を特定できないという事はもうひとつ重要な事実を示しています。すなわち人間の体を構成する内部の論理集約点もすべて独自の考えを持ち独自の挙動をとる論理集約点であるという結論になるのです。
つまり私達は外部の環境から影響を受け内部の構成要素からも影響を受けつつ最終的に挙動を決定しているわけです。縁観論ではこの影響を引き起こすメッセージのやり取りの事を往環識【おうかんしき】と呼んでいます。
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