第33話 強化術

「そらっ!」


勢いよく振り下ろされるバルバロスの剣をルビアスは間一髪で躱す。踏み込みや剣を振り回す速さがさっきまでと比べものにならない。厳しい訓練を耐えてきたルビアスだから何とか躱せているけど、普通の兵士なら何が起きたかわからないうちに即死だろう。


「避けたか。少しずつ速度を上げていきますよ! どこまで避け続けられるかな!?」

「くうぅ!?」


宣言通り、バルバロスの攻撃は一撃ごとに鋭さを増し、次第にルビアスは対処出来なくなっていた。体に細かい切り傷が増え、誰の目にも劣勢に陥っている。このままでは削られるだけで負けてしまう――そう判断したのか、ルビアスは後方に大きく跳んで魔法を放った。


「フレアランス!」


ルビアスの使える魔法の属性は炎と回復の二種類のみ。魔法使いとしての才能はそれほど無い彼女だけど、炎と回復という色々と使い勝手の良い属性に恵まれているので、使い方次第じゃ格上相手でも倒せてしまう。普段から魔力のコントロールは徹底させているし、詠唱の短縮は嫌になるほど繰り返させているので、今じゃ一言唱えるだけで魔法を使えるようになっている。そんな彼女の放つ炎の槍はなかなかの熱量で、威力だけならシエルに匹敵するはずだ。まともに食らえば炭化してもおかしくないその危険な魔法を、驚いたことにバルバロスは片手で弾き飛ばしてしまった。


「なっ!?」

「魔法なら私も使えますよ! こう言う具合にね!」


バルバロスの手の平に炎の玉が浮かび上がる。アイツは以前カリンとの戦いでファイアボールを使っていたけど、今出現させたものは熱量も大きさも段違いだ。飛んできた火球を慌てて回避したルビアスは、地面に着弾して巻き上がった炎まで完全に回避しきれずに、手足の皮がめくれ上がるほどの火傷を負っていた。


「ぐぅぅ! ひ、ヒール!」


ルビアスの回復魔法によって徐々に回復していく彼女の火傷。しかしバルバロスは回復する暇を与えるつもりも無いのか、再び剣を振りかざしながらルビアスに迫った。苦痛に耐えつつ必死の形相で応戦するルビアス。しかし、もう彼女に勝ち目は無い。ここまで来たらサッサと降参した方が傷が少なくて済むのに、彼女のプライドがそれを許さないんだろう。


負けるとわかっているのに諦めようとしないルビアスを見ながら、俺は拳を強く握りしめていた。まさかバルバロスがこんな手を使ってくるなんて。アイツが言っていた強化術という身体強化の方法――俺はそれを過去に見た事がある。あれは俺が勇者として魔境に入り、魔族と激闘を繰り広げていた頃だ。


他の種族のように姿形が統一されていない魔族達の唯一の共通点。それがバルバロスの言う強化術の使用だった。魔族はもともと強力な力を持っているけど、それだけなら数の多い人間側が押されることなどあり得ない。数が多いのに劣勢に回ったの理由は、魔物を別にすると、強化された魔族の戦闘能力によるものだった。


強力な個が居ればそれだけで多数を圧倒できる。それに真っ先に気がついたのが数で劣る魔族だと言うのは、当然かも知れなかった。俺が現役の時でも魔族側に肩入れする人間は少なからず居て、そんな連中も魔族による技術供与の結果なのか、ほとんどが強化術を使えるようになっていた。つまり、この術が使えると言うことは、レブル帝国は魔族に肩入れしていると言う事になる。昔ならいざ知らず三百年も経っていれば、見ただけでこれが魔族の技術と気がつく奴なんて俺以外いないだろう。だから平然と人前で披露できるんだろうな。


「もういい……早く降参しろルビアス。このままじゃ取り返しがつかなくなる」


体にいくつもの深い傷を負いながらまだ負けを認めようとしないルビアスに、俺は焦りを隠せなかった。


――バンディット視点


俺はバンディット。海運の国バリオスの勇者だ。勇者としての実績はまだまだこれからだが、自分じゃ伸びしろがあると思ってる。なにせ俺が勇者になったのは血筋なんかじゃなく、国で行われた武闘大会で優勝したのが理由だからだ。これから先、色々と強い連中と戦っていりゃ、経験の浅い俺は嫌でも強くなるはず。そのために、国内外を問わず俺は腕を上げるため強者に試合を申し込み続けた。勝ったり負けたりしながら腕を磨いていたある日のこと、俺は国の命令でこのレブル帝国に派遣されることになった。表向きは親善のためとなっているが、実際はスパイの真似事だ。急速に軍事力を増して力をつけている野心溢れる帝国――その狙いが何なのか、この機会を利用して出来る限り調べてこいってわけだ。


面倒な事を避けたい俺としては乗り気じゃ無かったが、各国の勇者が集まるとなれば話は別だ。顔を合わせて何か身になる情報が聞ければ上々、手合わせでも出来れば文句なしの美味しい話だったので、俺はすぐに参加を決めた。


初めて訪れたレブル帝国は、何と言うか、陰気な国だった。俺の国が明るすぎるのかも知れないが、それにしたって活気というものがあまり感じられない。国民性の違いなのか、抑圧されてる影響なのかはわからないが、笑顔を浮かべている者がほとんど居ない。子供ですらそうなんだから大人は尚更。正直言って好きになれない雰囲気の国だ。そんな中で唯一楽しめそうなイベントが軍隊同士による模擬戦だ。軍事国家として名高い国だけあって、退屈な時間を吹き飛ばしてくれる派手な戦いを期待していた――のだが、俺の期待は見事に裏切られた。


弱くはないが強くも無いと言った連中が適当にぶつかり合ったとして、それを見る人間が凄いと思えるだろうか? 答えは否だ。普段戦いと縁の無いお貴族様なら楽しいんだろうが、俺ぐらいになるとただ退屈なだけ。なので途中から見るのを放棄して、居眠りを決め込むことにした。しかしその戦いが終わったすぐ後、ようやく俺を楽しませてくれそうなイベントが起きた。レブル帝国の勇者バルバロスが、ボルドール王国の勇者ルビアスに喧嘩を売ったからだ。


仮にも友好的に訪れた相手に――しかも自分から招待した相手に対して喧嘩を吹っかけるとは正気とも思えんが、とにかくルビアスが受けて立ったので戦いは始まった。


ルビアスは強かった。身のこなしや戦いの組み立て方から察するに、相当な訓練を積んでいるとすぐにわかった。あの若さであれだけ出来るって事は希有な才能だろう。彼女は王女らしいし、実戦を経験する機会もなかったはずだ。それであれだけ強いのは尊敬に値する。まだまだ俺には敵わないが、あと一、二年もすれば良い勝負になると思えた。対してバルバロスは――つまらんの一言だ。まともに剣を合わせたのは最初だけで、後は終始逃げに徹している。ルビアスの攻撃から無傷で逃げ回る技量と体力はともかく、戦い方から善人ぶった作り笑いまで、何から何まで気に入らない。俺とはとことん馬が合わないタイプの男だな。逃げ回っているだけで勝てるなら誰も苦労はしない。時間はかかっても当然勝負はルビアスの勝利で終わるはずだった――バルバロスが妙な術を使うまでは。


「なんだありゃ……?」


バルバロスの体が変化していく。まるで人間から別の生き物に変化するように、いびつに筋肉を膨れ上げながら。見てるだけで鳥肌が立つような、そんな気味の悪い術だ。あれが、あんな術を使う奴が勇者を名乗っているのか?


「あれは……凄く良くない気を感じます。まともな人間が使う術ではありません」


俺の横で観戦していたリュミエールの勇者フレアが、嫌悪感も露わにそう吐き捨てるように言った。温厚で人当たりの良い彼女でも、こんな表情をする事があるのかと意外に思ったが、今はそれより気になる事がある。俺はこみ上げる不快な嘔吐感を無理矢理抑え込み、フレアに訪ねる。


「良くない感じってのは?」

「理由はわかりません。ただ、私の信仰する神、リュミエールが警戒せよとおっしゃっていますから、何か邪悪な方法なのかも知れません」


チラリと視線を向けてきたフレアは、すぐ正面に目を向けながらそう説明してくれた。邪悪な方法か……。見た感じまともじゃないのはわかる。体中の筋肉が膨れ上がって、目や髪の色まで変わってるんだ。体に相当な負担をかけてそうだな。だが……


「問題はどこまで強く――なに!?」


動き出したバルバロスの姿を完全に見失ったかと思ったら、あっという間にルビアスの正面に移動していた。速い! 今までと段違いのスピードだ。ルビアスはよく反応して躱せたもんだ。あの速さは俺でも対処に苦労しそうだぞ。バルバロスの術がここまで効果のあるものとは予想もしなかった。初見でやられたら高確率で死にそうだから、一度見ておけて良かったぜ。


「しかし、こりゃ……勝負あったな」


ルビアスには悪いが、彼女の勝率は一割も無いだろう。身体能力や魔力、全ての面で強化されたバルバロスに、抗うどころか良いようにいたぶられている。それを周囲の連中――主にこの国の貴族達は、まるで喜劇でも見ているように嗤っていやがるんだ。……胸くそ悪い。もともとそんなに好きじゃ無かった国だが、これで一気に嫌いになった。こんな国、できれば一秒でも速く出ていきたいぐらいだ。にしてもルビアスはいつまで頑張るんだ? もう勝負はついていると自覚してるだろうに。このままじゃ本当に死んじまうぞ。


「いけない!」


隣のフレアが叫ぶ。咄嗟に目を向けると、片膝をついて荒い息を吐くルビアスに、バルバロスが嬉々とした表情で剣を振り下ろそうとしているところだった。正気かアイツは!? 仮にも親善のためにやって来た他国の勇者を殺したら、下手すりゃ戦争になっちまうぞ!


「くっ!」

「くそったれが!」


俺とフレアの二人は、間に合わないのが解っていても飛び出さずにはいられなかった。しかしそんな俺達より速く飛び出し、バルバロスの剣を受け止めた存在が居たのだ。そいつは岩をも両断しそうなバルバロスの一撃を、苦も無く自前のハルバードで受け止めていた。


「ラピス……さん?」


呆然としたようにフレアが呟く。あれは……ルビアスのパーティーメンバーのラピス嬢か? この一瞬で飛び出して、バルバロスが剣を振り下ろすより速く攻撃を防ぐなんて、彼女の速さは今のバルバロス以上と言う事になる。しかし彼女は確か僧侶だったはず。前衛であるルビアスより速く動き、ルビアスでも防げない攻撃を受け止めるなど出来るのか? 俺はフレア同様、信じられない思いでラピス嬢を見つめていた。


「くくく……やっと出てきたか。仲間を追い詰めれば我慢できずに飛び出してくると思っていたぞ」


野郎、やっぱりワザといたぶってやがったのか。バルバロスはもう態度を取り繕う気もないのか、その下品な笑い顔によく合う粗野な言葉遣いに変わっている。そんなバルバロスをラピスは冷たい目で睨み付けるだけだ。


「……俺に喧嘩を売りたいなら、こんなまどろっこしい手を使わないで直接向かってくれば良いんだ。そうすりゃお望み通り半殺しにしてやったのに」


バルバロスはニヤリと顔を歪める。


「ははは! それじゃ面白くないだろう! お前は自分より仲間がやられる方が嫌なんだろ? だったら俺の選ぶ手段なんか決まってるだろうが! 俺がお前に受けた屈辱に比べれば、こんなものはなんて事無いんだよ!」


もうバルバロスは正気ですら無いのか、血走った目でラピス嬢を罵倒し続ける。対するラピス嬢は相変わらず冷たい目で――


「うっ!?」

「なっ!?」

「むう!?」


俺、フレア、そしてベルシスの勇者アネーロが同時に声を上げ、思わず腰を浮かせかけた。たった今、ラピス嬢から信じられないほどの殺気が溢れたからだ。バルバロスとは違った意味で鳥肌が立つ。奴のは単に気持ち悪さからだったが、ラピス嬢から感じるのは恐怖によるものだ。本能が警告している――絶対に戦うなと。あれと戦って立っていられる生物など、この世に存在しないのだと。しかし、正気を失ったバルバロスはそんな殺気も感じられないのか、狂ったように嗤う。


「ははは! 流石だ! そうこなくちゃな! その圧倒的な強さを持ったお前を叩き潰すために、俺はこの力を手に入れたんだ!」

「御託は良い。さっさとかかってこい。そんな借り物の強さで悦に入ったところで、お前は弱者のままなんだと思い知らせてやる」

「ぬかせ!」


一旦剣を引いたバルバロスが、再び踏み込んでラピス嬢に剣を振り抜く。もう俺では視認することすら難しいその速度。奴の剣は防がれることも無く振り抜かれ、地面に激突すると土砂を大きく抉ってようやく止まった。ラピス嬢は今ので粉々になったのかと思ったその時、俺は信じられない光景を目にしていた。


「はーっはっはっは! バラバラに吹き飛びやがった! やはり俺の敵じゃ無かったな! ざまあみろだ糞女が!」

「何を喚いてるんだお前? よーく自分の手元を見てみろ」


背後から聞こえた声にバルバロスが慌てて振り向くと、そこには無傷で佇むラピス嬢の姿があった。しかも――ちぎり取られたバルバロスの右腕を持って。


「なぁっ!? そ、それは俺の――ぎ、ぎゃああぁ!?」


絶叫を上げてのたうちまわるバルバロスの右腕は、まるで巨大な力で無理矢理引きちぎられたように無残な姿を晒していた。血しぶきを浴びたラピス嬢は気にする様子も無く、冷たい目で奴の腕を無造作に投げ捨てる。まるでゴミでも捨てるように。その冷たい仕草に、その場の誰もが息をのんだ。さっきまで騒いでいた貴族連中は、今じゃ息をするのも遠慮しているように静かになっている。あの怒りが自分に向くのを心底恐れているに違いない。


「ラピスちゃん……本気で怒ってる……」

「ええ……。ここまで怒ったのは初めて見たわ」


彼女の仲間であるカリンとシエルの二人も青い顔でその光景を見つめていた。そんな彼女達に俺は質問せずにいられなかった。彼女の、あの力の秘密を。


「な、なあ。彼女はいったい何者なんだ? ただの僧侶じゃないのか? あの一瞬で奴の腕を千切りながら後ろに回るなんて、人間業じゃないぜ?」


俺の質問に二人は難しい顔で頭を振るだけだ。


「わからないの。彼女がどこでどんな人生を歩んできたのか。解っているのは圧倒的に強いことと、私達の師匠だってだけ」


「師匠って……彼女があんた達の師匠だって言うのか?」

「そうよ。私達は全員彼女に鍛えてもらって今の強さを手に入れた。もちろんルビアスもね」

「…………」


どう言う事だ? そこまで強いならラピス嬢が勇者をやれば良いんじゃないのか? あそこまで強いんだから、誰からも不満なんか出ないだろうに。そんな疑問が顔に出ていたのか、シエルは続ける。


「理由はわからないけど、ラピスちゃんは表舞台に立つことを物凄く嫌がるの。そんな彼女が勇者なんて役割を受けるはずが無い。だから彼女は自分の代わりに、志願してきたルビアスを鍛えているのよ」

「国によって色々と事情があるようですね。しかし、今は……」


フレアの言うとおり、悠長にお喋りをしている場合じゃ無い。ラピス嬢によるバルバロスの公開処刑は続いているんだ。奴は俺達が話をしている間に今度は左腕をもがれ、自分の血で作った血だまりの中で痛みに呻いている。ああなっちまったらもう戦闘どころじゃ無い。せっかく強化した身体能力や魔力も、ラピス嬢の前にはまったくの無力だったな。


「ぐぅぅぅ! くそったれがー!!」


血まみれになったバルバロスが絶叫すると、奴の周囲にいくつもの小さな火球が生み出された。まさか、あれを周囲に放つつもりか!? もう痛みで理性が飛んでるんだろう。確かに無差別攻撃をすればラピス嬢に当たるかも知れないが、周囲の貴族にも、下手をすれば皇帝にすら当たる可能性がある。そんな事も解らなくなっているのか!?


「いけない! 私がシールドを張ります!」

「私も手伝うわ!」


フレアとシエルが万が一に備えて、慌てて詠唱を始めた。しかしそれより速くバルバロスの火球は放たれる。周囲に甚大な被害が出るであろうそれを防いだのは、またしてもラピス嬢だ。彼女は魔法が放たれる直前にシールドを張った。ただし――俺達にじゃなく、放とうとしていたバルバロス自身に。小さな結界の中に閉じ込められたバルバロスは、自分の魔法が炸裂する高温の檻に囚われた。当然そんな事になって無事で済むはずがなく、炎と煙の嵐が収まったその場には、苦焦げになったバルバロスの姿が姿を現したのだ。


「ぐ……ぐあ……」

「生きてる……。あれだけやられてまだ生きてるのか?」


大した生命力だ。だが、ラピス嬢は息絶える寸前のバルバロスに近づき、その喉元にハルバードの切っ先を突きつける。


「まさか!」

「殺す気!?」


カリンとシエルが驚きの声を上げる。怒りに我を忘れてるのか、ラピス嬢は攻撃を止める気配が無い。自分から圧倒的強者に喧嘩を売った自業自得とは言え、流石にここでバルバロスを殺すのはどう考えてもマズい。しかしその時、音も無く立ち上がったフレアが右腕を天に突き上げたかと思うと、彼女を中心に現れた光の輪が勢いよく広がり、一瞬にして消え去った。


「ラピスさん。それだけやればもう十分でしょう?」


フレアの言葉に、ハッとしたようにラピス嬢は武器を収める。彼女から感じる殺気は消えて無くなり、その目にも理性の光が戻っていた。


「今のは?」

「リュミエールの神聖魔法です。興奮した人々を正常な状態に戻す魔法なんですが、意外なところで役に立ちました」


そう言って微笑むフレア。あの状態のラピス嬢を正気に戻すなんて、コイツもただ者じゃ無いな。しかしこれで何とか場は収まった。半殺しにされた奴が二人ほど居るが、死人さえ出なけりゃ何とか言い訳が出来るってもんだ。その時、ただ黙って観戦しているだけだった皇帝がすっくと立ち上がり、よく響く声で話し始める。


「そこまで。双方よく戦った。いずれ劣らぬ勇者達の力、必ずや魔王討伐の力になってくれるだろう。バルバロスで敵わないなら、後の戦いは続けるだけ無駄だ。模擬戦はこれで終了とする」


何事も無かったように勝負の終了を告げる皇帝。強引だが、これで一応の決着はついた。静かにその場を後にする皇帝と、金魚の糞のように慌てて後を追う貴族達。ラピス嬢の強さやバルバロスの術――調べたいことは山ほどあるが、今の俺はもっと気になる事が出来た。去り際に小さく呟いた皇帝の言葉が耳に入ったからだ。――失敗か。まだ改良の余地があるな――と言う言葉が。

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