V.爪箱(5分)
Vさんが若い頃、訳ありの知り合いに頼み込んで譲り受けた木箱からは、年に一度くらいの頻度で、開けた時に生爪が一枚出てくる。
恐らく女性の爪らしいそれがどこから湧いているのかもわからないまま、Vさんはありがたがってその爪を収集し続けている。
「たまにな、剥いだばかりみたいに肉や血の付いたものもあって」
そういうものが出た年は大吉なのだという。
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