R.人違い(7分)

Rさんは幽霊が見える人だ。

この前も、アパート暮らしの彼女が夜一人でテレビを観ていると。

「肩をぽんぽんって叩かれたのよ」

振り返ると血塗れの男が恨めしそうに睨んでたというのだ。

「でもこっちはそういうの見慣れてるから。またかって呆れた顔をしちゃったの。そしたら」

どうも妙なことにその男、出る相手を間違えたらしく、少し困ったような顔をして、すっと消えてしまった。

それから数分後。再びテレビに集中していたRさんの耳に、隣の部屋からぎゃーという女性の悲鳴が聞こえたという。

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