第36話 叙爵準備3

【叙爵準備3】


 夜、奈津はリネーネ様の部屋に来ていた・・・

 そう、新たに取得した美顔術を試すためだ・・・

 

 「リネーネ様、新たに取得した美顔術を試したいと思いますが、テストケースになって頂いても宜しいでしょうか?」

 即答だった。

 リネーネ:(私もわかがえるかしら?、やっぱり綺麗になりたい・・・もう、どきどきよ。)

 

 「もちろん、良いわよ、思いっきりやって頂戴。」

 (うふっ、今度はどんなに綺麗になるのかしら・・・ぴちぴちのお肌になれるかしら・・・)

 リネーネは期待と興奮で打ち震えていた・・・年齢は30代、お肌の曲がり角は通り過ぎた頃であるからこそ自分の肌は気になるのは女ならごく自然な事だった・・

 

 リネーネ様は就寝前と言う事もあって化粧は落として化粧水と乳液だけの状態だったのでそのまま開始する事にした。..

 

 美容液を手に取り馴染ませてからリネーネ様の顔をマッサージしていく基本は内側から外側に円を描くようにしながら頭の中ではアフターのイメージを明確にしながら施術を施していく・・・

 始めてからおよそ30分ほど経っただろうか・・・

 

 「出来ました、お顔をご覧下さい」

 奈津はリネーネ様の前に手鏡を持って行き、顔が写る様にした・・・

 

 「「「・・・綺麗・・・、これ本当に私なの」」」

 そこには20代前半と思える女性がいたのだ・・・

 

 「す、凄いわ、有り難う、本当に有り難う。..」

 「今回は久しぶりに王都に行こうかしら・・・ふふふっ」

 (なっちゃんだから期待はしてたけど、まさかここまでとは想像を斜めに超えてきたわ・・・ふふっ、これならオリビアにも余裕だわね、ちょっと思い上がった鼻をくじいてやる良いチャンスだわ・・・)

 

 そこには黒いリネーネ様がいた・・・

 

 「ねぇ、奈津ちゃん、胸なんて出来ないかしら?」

 以前は張りのある旨だったが、アメリアを生んでおっぱいを与えた後は多少しぼんじゃったしその分垂れてきてる、これがどうにかなると凄く嬉しいんだけど・・・駄目かなぁ・・

 

 「多分ですが、綺麗にするのは出来ると思いますが、大きくしたりとかは私では無理ですねぇ、綺麗にするにしても直に触る必要がありますのでそれが問題かも知れません。」

 

 「無いわ、全然問題ないわ。お願いして良いかしら・・・」

 「はい、私もやってみたいと思ってますので・・・」

 

 話し終わるか終わらないかのうちにリネーネは着ている服を脱いで上半身は裸になった。

 「お願いね。」

 「はい、では、失礼して・・・」

 奈津はリネーネ様の胸をマッサージしていく・・・

 その内容は書くと不味そうなので割愛させて頂いて・・・

 

 施術が終了するとリネーネの喜びはひとしおだった、10代後半の一番良い時期の形に戻ったらしい、奈津に何度も何度も礼を言うほどだった。.

 落ち着いたのか服を着ながら奈津に訪ねた・・・

 

 「ねぇ、さっきは私ではって言ったわよねぇ、では、誰なら出来るの?」

 「ルーカスなら出来ると思います、多分・・・」

 「ふーん、そうなんだぁ・・・・・」

 (流石に今は無理ね、一応、辺境伯夫人という立場もあるし、急ぐ事も無いわね、きちんと家から出されれば問題はないわけだし、それからやって貰えば良いんだし・・・)

 

 。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。

 

 奈津がリネーナ様の美顔施術をしている頃、久志の部屋では愛彩と久志が話していた。

 

 「いやーまさか、愛彩ちゃんがとは思わなかったよ。ほんと驚いた・・・」

 久志は愛彩の事が全く頭に無かった訳ではない、数すくない女性の中の一人として認識はあったのだ、ただ、奈津の妹である事から奈津が拒否すると思っていたし愛彩自身にもしっかりとした職があったからその両方の面で愛彩は無いと思っていた。

 まさか、奈津自身が声を掛けるとは思いもしない事だった。

 

 「あら、でも私が久志に好意を寄せてる事は知っていたでしょう?」

 「うん、知ってたよ。でも、奈津が声を掛けて来からねぇ・・・」

 

 「お姉ちゃんの事を思っていた訳では無いんでしょ、奥さんの友達という認識だったはずよ。」

 「ま、それを言われるとちょっと、内緒だけど、電話もらった時はなんで、って感じだったかな?、色々手伝ってもらううちに良いかなぁって思うようになったからさ・・・」

 

 「多分、電話もらってなかったら愛彩に電話してたかも知れないな、結構、やり取りがあったし好意を持って貰ってるのもるのも知ってたし・・・」

 「これは奈津には内緒だよ。」

 

 「うん、言わないよ、っていうかお姉ちゃんも私が久志とやり取りしてる事を話した時に感づいたと思うわよ、でも、気づかない振りというか気づきたくないって言うか微妙なんだよね」

 

 姉妹だから上手くいくのか姉妹だから上手くいかないのか微妙な物だとおもう、果たして今後、二人の関係がどうなるのかは予測は付かないが、誠意を持って対応していこうと思う久志だった。

 

 。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・

 

 翌朝

 アメリアと俺の叙爵のために王都へと出発する事になった。

 辺境伯夫妻、アメリア、ルーク侯爵、ソフィー、奈津、愛彩、メイドのジェシカに俺を加えた9名に護衛の騎士5名+御者2名を加えた総勢、16名となった。

 馬車2台+ATV1台で王都へ向かう

 王都へはおよそ10日の道のりだ・・・一日の移動距離は30kmから40km位しか進めない、高速があれば1日で移動出来る距離をのんびりと休憩を入れながら走って行く・・・

 

 道中、基本的には宿に泊まるのだが、状況によっては野宿の場合もある、野宿の場合は騎士達はテントを張るのだが俺たちの場合はアイテムボックスから核シェルターを出して野営した。

 食事はもっぱらレトルトとインスタント食品でまかなった。早いし片付けも楽だからね。

 

 王都までの道中はゴブリンが数匹出てきたぐらいで騎士達が瞬殺していた、街道沿いの木に不審者の影が有り、そこから2km程入った森に20人程度の盗賊と思われる者達がいたが、襲っては来なかったので、多少遅れている事も有り酢のまま素通りした。

 

 王都に着いて一旦は辺境泊邸の付いてアメリアにはここで待つように伝えて、俺たちはその足でヘンドリック侯爵邸へと向かう事にした。

 

 「ねぇ、屋敷には行かないの?」

 「うん、叙爵が終わってから連れて行くよ、それまではひ・み・つだよ。」

 「「「「意地悪・・・」」」

 

 アメリアの抗議を背中に聞きながらヘンドリック侯爵邸へと急いだ・・・

 以前、会った時に来るように言われていたのだ・・・

 

 。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。

 

 □■□ ヘンドリック侯爵邸 □■□

 

 最初の目的地である

 ロックフォート領の領主であるヘンドリック・フォン・ブルーナ・ロックフォート侯爵の屋敷に着いた。

 ヘンドリック侯爵とは前回、国王に謁見した後に声を掛けられ是非、来るようにと言われていたので今回王都に行く前に寄ると伝えてあった。

 

 警備の騎士に取り次いでもらうと連絡は付いていたみたいで直ぐに通された。

 通された部屋はビクトリア様式とでもいうのか、かなり豪華で広い部屋でだった、やはり公爵ともなると財力が凄いのだと改めて思い知らされる。

 

 辺境伯のメイドのスカートはロングだったが公爵家のメイドは膝上のミニとも呼べる物だったがこの辺は多分公爵の好みなんだろうと勝手に推測しておく。

 

  メイドから出されたお茶を飲みながら待っているとヘンドリック公爵がやって来た。

 「おおっ、やっときてくれたか、待ってたぞ!!」

 「お、忘れ取った、男爵への叙爵おめでとう。」

 

 「有り難う御座います、ヘンドリック侯爵様!!」

 「堅苦しいのなぁ、俺は気にしないのでラフで行こう。」

 「では、ヘンドリック卿。」

 「ん、まあ、いいか・・・」

 

 「これはご挨拶代わりの品です、お受け取り下さい。」

 用意したのは洋酒、各種グラス、洗剤などの日用品、腕時計、(公爵向けと部下への贈り物用に安物と揃えた)

 

 ヘンドリック卿は腕時計を手に取り熱心に見つめている。流石と言うか公爵へと思っていた高級品、約30万の時計を腕に嵌めている。

 「これが腕時計という物なのか?、誤差はどれくらいだ、魔石で動いているのか?」

 「はい、誤差は30日で数秒以内です、魔石では無く電池という電気を蓄える物で動いてますが、まあ、魔石のような物で一定期間で交換する必要があります。」

 「今お持ちのでしたら、約2年ぐらいですね。」

 

 「ルーカス殿、これは幾らだ・・・」

 「そうですね、それはそこに並べた中で一番高い腕時計で3000万ルドです、ちなみにこちらですと30万ルドで販売するつもりです、基本的に購入価格の100倍を掛けている、もちろん、流通が増えてきたら下げるので、先行価格にしか過ぎないのだが・・・」

 

 「しかし随分と、価格差があるもんなんだな?」

 「はい、低価格帯から高価格帯まで用途や目的に併せて作られいますので価格は様々ですね、もっと高い物だと数億、数十億の時計もありますが、この辺になるともう、時計とは言えなくなってきますね。」

 

 「ちなみにこちらの時計は30万ルドですが、この様に投げても壊れません」

 俺はそう行って衝撃に強い腕時計をおもむろに放り投げた。

 

 「おおーーっ、何をする・・・」

 「一番安い時計でもこの位では壊れはしません、こちらですと」

 そう良いながら、耐衝性の時計を窓から面の石畳に投げつけた・・・

 「奈津、拾ってきてくれ・・・」、「はい・・」

 

 「今の時計は特に衝撃に強く作られていますので少々雑にあつかったぐらいでは壊れたりしません。」

 「ほう、凄いのぉ・・・・」

 床に落とした時計を拾い上げながら不思議そうに眺めなら感心している。

 「まあ、細かい傷は入りますけどね。」

 

 「じゃこの時計も壊れんのか?」

 ヘンドリック卿はそう良いながら腕に嵌めている時計を眺めながら言っている。

 

 「いえ、落としたぐらいでは壊れないですが、高い所から落としたり投げつけたりしたら壊れますね。」

 「3000万ルドもするのに壊れるのか?」

 ヘンドリック卿としてはちょっと納得が行かないような顔をしている。

 

 「はい、そういった荒事をしない方向け、いわゆる貴族向けの時計ですので・・・」

 「軍人などですとこの辺りの耐衝撃性の時計、150万ルドから600万ルドぐらいの時計を嵌めている事が多いですね。」

 このクラスの時計だと、今後流通量が増えれば価格はぐっと下がっていくと思います。

 

 ヘンドリック卿夫人はヘンドリック卿が今嵌めている時計と同じデザインの女性用を手に取ってみている。

 「あなた、あたしこれが欲しいわぁ~」

 「これはデザインが同じ様だが・・・幾らするのだ?」

 

 「はい、ペアウォッチと行って恋人同士向けに男女同じデザインで作られた時計で同じ3000万ルドです。」

 

 「よし、この二つをもらおう、二つで6000万ルドで良いんだな」

 早速ヘンドリック卿夫人はレディース用の時計を自分の腕に嵌めて腕を顔の高さまで上げてしげしげと眺めている。

 (凄いわぁ、異世界の時計って進んでるんだわ、こんなの嵌めている夫人なんていないわよね、今度ちょっと自慢しちゃおうかしら。..)

 

 「時計のお代は結構です、それはお近づきの印にプレゼントさせて下さい。」

 「しかし、こんな高価な物をただで貰う訳にはいかん・・・」

 「いえ、いえ、今回持ち込んだ時計の中からお二つは初めから差し上げるつもりでしたから、でも、一番効果なのを選ばれるとは流石、ヘンドリック公爵ですね、お目が高いです。」

 公爵は自分の選択眼を褒められてまんざらでも無いと言う顔をして微笑んでいる。

 

 「本当に貰って良いのか?」

 「はい、けっこうです。それと洋酒と日用雑貨もお収め下さい。」

 「それと、もし、時計の事を他の貴族の方に話される時は買った事にして置いて下さい。色々と面倒になりそうですから・・・」

 

 「うむ、それはそうだな、よし、分かった、ちょっと厚かましいがそうさせてもらおう。」

 「ここにある他の時計は全部で幾らだ?」

 

 「そうですねぇ、30万ルドが10個、150万ルドが2個、300万が1個ですから900万ルドですね。」

 「や、安い、よし、全部買おう、」

 「しかしこれ全部でも、こちらの時計の1/3もしないとはな・・・」

 

 ヘンドリック卿は執事に何か耳打ちしている。

 恐らく代金を持ってくるように伝えたんだと思う。

 

 その間に、日用品に一通り説明していく、シャンプーや生理用品については奈津が夫人を部屋の隅に呼んで話している。

 (一度、使ってみて下さい、今までとは全然違いますから、,,無くなりそうになったらまた、補充に来ますから・・・お値段は約40枚で10000ルド、夜用で15000ルドです。その時、専用のショーツもお着けしておきますね。)

 

 公爵が何かと思って夫人と奈津の方に近づいていくと・・・

 「あなた、来ないで下さい。」とぴしゃりと言われて、公爵は凹んで頭をかきながらまた、こちらに戻ってきた。..」

 「まあ、女性同士が良いって物もありますから・・・」

 

 丁度その時、執事が代金が入っているであろう小袋を持って来た。

 公爵はそれを受け取り俺に渡す。

 「少ないが代金だ、受け取ってくれ。」

 

 「はっ、頂きます。」

 俺は渡された小袋を一応、確認してみると白金貨30枚が入っていた。

 「ヘンドリック卿、多すぎますよ、代金は白金貨9枚のはずですが?、30枚有りますよ。」

 俺は小袋を手のひらにこぼし、9枚を選り分けようとすると

 

 「いいんだ、受け取ってくれ、それでも足りないと思ってるんだ。」

 「いや、しかしいくら何でも多すぎます。」

 俺が白金貨21枚を返そうとすると

 「貴族が一度出した物は引っ込める訳には行かん、それにそう思うなら珍しい品は私に優先して回してくれ・・・」

 

 んー、どうしたものかと考えてみるが、どうやらやると言われたのを突き返すのはどうやらまだ、足りないと言う意味にも取られるらしいから受け取っておくか。

 

 「わかりました、有り難く頂いておきます。」

 

 その後、王都で店を開く事を伝え、追加の注文があればそちらで受ける事、を伝えて侯爵邸を後にした・・・

 

 帰り道愛彩がナプキンが1万ってどんだけぼったくりなの?、っておどろいてた・・・その反対に奈津はえらく安く売ったわねって反応だった。

 愛彩にうちの商売の基本のを説明した、貴族相手な事、売価は仕入れの100倍が基本・・・ただ、生理用品は恐らく今後継続するであろう商品のため10倍程度に抑えた事・・・その内に平民で少し余裕のある人には5000ルドぐらいに押さえて売る事を考えている事・・・ちなみに今日渡したのは500円ぐらいだった事を話すと、愛彩は20倍のぼったくりだと騒いでいた・・・

 

 当面はこのやり方を続ける事、そして出来るだけ国産化出来る用に愛彩に頑張って欲しい、平民の手の届く価格まで抑えて欲しいと頼んだ・・・

 

 「うーん、高分子は結構、学んだけど,そうねぇ・・・

 高分子ポリマー自体、作り方は何種類か有るけど、プロピレンを触媒を使って参加させて合成して作っていくんだけど・・・そこはこの国の科学力の底上げが必要よ。

 ちなみにプロピレンはナフサからナフサは原油が必要だわ。」

 「デンプンやセルロースなどの天然素材から作る物もあるんだけどね」

 

 「生理用ナプキンに関しては取り敢えず紙ナプキンの製造から初めて高分子ポリーだけ元の世界から買って混ぜた方が良いんじゃないの?」

 

 「まあ、その辺の事は宜しく頼むよ、特にそれが優先って訳じゃ内、愛彩が優先してして行って事を優先してやって良いから・・・」


 「一つ言っておくと、ここは異世界だ、元の世界の概念にとらわれすぎない事、愛彩だって魔法が使えるようになってるはずだ、特に錬金術はカントスしてるから物質の精製や合成は簡単にできると思うぞ、後で試してみると良い。.」

 

 「俺的に希望としては魔石から電気を取り出すのを何とかして欲しいって思ってるんだけどなぁ・・、既存の記述として照明やコンロにの燃料として使われているから何とかなりそうな気がするけど・・

 

 ふーん、魔法ねぇ、錬金術って言われてもねぇ、アニメで見たけどあれでどうしろって言うのよ・・・参考になる本か何か見付けてみなきゃね。折角来たんだし、何でもやってやろうじゃないのって、気合いを入れている愛彩だった。

 

【叙爵準備3】


 夜、奈津はリネーネ様の部屋に来ていた・・・

 そう、新たに取得した美顔術を試すためだ・・・

 

 「リネーネ様、新たに取得した美顔術を試したいと思いますが、テストケースになって頂いても宜しいでしょうか?」

 即答だった。

 リネーネ:(私もわかがえるかしら?、やっぱり綺麗になりたい・・・もう、どきどきよ。)

 

 「もちろん、良いわよ、思いっきりやって頂戴。」

 (うふっ、今度はどんなに綺麗になるのかしら・・・ぴちぴちのお肌になれるかしら・・・)

 リネーネは期待と興奮で打ち震えていた・・・年齢は30代、お肌の曲がり角は通り過ぎた頃であるからこそ自分の肌は気になるのは女ならごく自然な事だった・・

 

 リネーネ様は就寝前と言う事もあって化粧は落として化粧水と乳液だけの状態だったのでそのまま開始する事にした。..

 

 美容液を手に取り馴染ませてからリネーネ様の顔をマッサージしていく基本は内側から外側に円を描くようにしながら頭の中ではアフターのイメージを明確にしながら施術を施していく・・・

 始めてからおよそ30分ほど経っただろうか・・・

 

 「出来ました、お顔をご覧下さい」

 奈津はリネーネ様の前に手鏡を持って行き、顔が写る様にした・・・

 

 「「「・・・綺麗・・・、これ本当に私なの」」」

 そこには20代前半と思える女性がいたのだ・・・

 

 「す、凄いわ、有り難う、本当に有り難う。..」

 「今回は久しぶりに王都に行こうかしら・・・ふふふっ」

 (なっちゃんだから期待はしてたけど、まさかここまでとは想像を斜めに超えてきたわ・・・ふふっ、これならオリビアにも余裕だわね、ちょっと思い上がった鼻をくじいてやる良いチャンスだわ・・・)

 

 そこには黒いリネーネ様がいた・・・

 

 「ねぇ、奈津ちゃん、胸なんて出来ないかしら?」

 以前は張りのある旨だったが、アメリアを生んでおっぱいを与えた後は多少しぼんじゃったしその分垂れてきてる、これがどうにかなると凄く嬉しいんだけど・・・駄目かなぁ・・

 

 「多分ですが、綺麗にするのは出来ると思いますが、大きくしたりとかは私では無理ですねぇ、綺麗にするにしても直に触る必要がありますのでそれが問題かも知れません。」

 

 「無いわ、全然問題ないわ。お願いして良いかしら・・・」

 「はい、私もやってみたいと思ってますので・・・」

 

 話し終わるか終わらないかのうちにリネーネは着ている服を脱いで上半身は裸になった。

 「お願いね。」

 「はい、では、失礼して・・・」

 奈津はリネーネ様の胸をマッサージしていく・・・

 その内容は書くと不味そうなので割愛させて頂いて・・・

 

 施術が終了するとリネーネの喜びはひとしおだった、10代後半の一番良い時期の形に戻ったらしい、奈津に何度も何度も礼を言うほどだった。.

 落ち着いたのか服を着ながら奈津に訪ねた・・・

 

 「ねぇ、さっきは私ではって言ったわよねぇ、では、誰なら出来るの?」

 「ルーカスなら出来ると思います、多分・・・」

 「ふーん、そうなんだぁ・・・・・」

 (流石に今は無理ね、一応、辺境伯夫人という立場もあるし、急ぐ事も無いわね、きちんと家から出されれば問題はないわけだし、それからやって貰えば良いんだし・・・)

 

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 奈津がリネーナ様の美顔施術をしている頃、久志の部屋では愛彩と久志が話していた。

 

 「いやーまさか、愛彩ちゃんがとは思わなかったよ。ほんと驚いた・・・」

 久志は愛彩の事が全く頭に無かった訳ではない、数すくない女性の中の一人として認識はあったのだ、ただ、奈津の妹である事から奈津が拒否すると思っていたし愛彩自身にもしっかりとした職があったからその両方の面で愛彩は無いと思っていた。

 まさか、奈津自身が声を掛けるとは思いもしない事だった。

 

 「あら、でも私が久志に好意を寄せてる事は知っていたでしょう?」

 「うん、知ってたよ。でも、奈津が声を掛けて来からねぇ・・・」

 

 「お姉ちゃんの事を思っていた訳では無いんでしょ、奥さんの友達という認識だったはずよ。」

 「ま、それを言われるとちょっと、内緒だけど、電話もらった時はなんで、って感じだったかな?、色々手伝ってもらううちに良いかなぁって思うようになったからさ・・・」

 

 「多分、電話もらってなかったら愛彩に電話してたかも知れないな、結構、やり取りがあったし好意を持って貰ってるのもるのも知ってたし・・・」

 「これは奈津には内緒だよ。」

 

 「うん、言わないよ、っていうかお姉ちゃんも私が久志とやり取りしてる事を話した時に感づいたと思うわよ、でも、気づかない振りというか気づきたくないって言うか微妙なんだよね」

 

 姉妹だから上手くいくのか姉妹だから上手くいかないのか微妙な物だとおもう、果たして今後、二人の関係がどうなるのかは予測は付かないが、誠意を持って対応していこうと思う久志だった。

 

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 翌朝

 アメリアと俺の叙爵のために王都へと出発する事になった。

 辺境伯夫妻、アメリア、ルーク侯爵、ソフィー、奈津、愛彩、メイドのジェシカに俺を加えた9名に護衛の騎士5名+御者2名を加えた総勢、16名となった。

 馬車2台+ATV1台で王都へ向かう

 王都へはおよそ10日の道のりだ・・・一日の移動距離は30kmから40km位しか進めない、高速があれば1日で移動出来る距離をのんびりと休憩を入れながら走って行く・・・

 

 道中、基本的には宿に泊まるのだが、状況によっては野宿の場合もある、野宿の場合は騎士達はテントを張るのだが俺たちの場合はアイテムボックスから核シェルターを出して野営した。

 食事はもっぱらレトルトとインスタント食品でまかなった。早いし片付けも楽だからね。

 

 王都までの道中はゴブリンが数匹出てきたぐらいで騎士達が瞬殺していた、街道沿いの木に不審者の影が有り、そこから2km程入った森に20人程度の盗賊と思われる者達がいたが、襲っては来なかったので、多少遅れている事も有り酢のまま素通りした。

 

 王都に着いて一旦は辺境泊邸の付いてアメリアにはここで待つように伝えて、俺たちはその足でヘンドリック侯爵邸へと向かう事にした。

 

 「ねぇ、屋敷には行かないの?」

 「うん、叙爵が終わってから連れて行くよ、それまではひ・み・つだよ。」

 「「「「意地悪・・・」」」

 

 アメリアの抗議を背中に聞きながらヘンドリック侯爵邸へと急いだ・・・

 以前、会った時に来るように言われていたのだ・・・

 

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 □■□ ヘンドリック侯爵邸 □■□

 

 最初の目的地である

 ロックフォート領の領主であるヘンドリック・フォン・ブルーナ・ロックフォート侯爵の屋敷に着いた。

 ヘンドリック侯爵とは前回、国王に謁見した後に声を掛けられ是非、来るようにと言われていたので今回王都に行く前に寄ると伝えてあった。

 

 警備の騎士に取り次いでもらうと連絡は付いていたみたいで直ぐに通された。

 通された部屋はビクトリア様式とでもいうのか、かなり豪華で広い部屋でだった、やはり公爵ともなると財力が凄いのだと改めて思い知らされる。

 

 辺境伯のメイドのスカートはロングだったが公爵家のメイドは膝上のミニとも呼べる物だったがこの辺は多分公爵の好みなんだろうと勝手に推測しておく。

 

  メイドから出されたお茶を飲みながら待っているとヘンドリック公爵がやって来た。

 「おおっ、やっときてくれたか、待ってたぞ!!」

 「お、忘れ取った、男爵への叙爵おめでとう。」

 

 「有り難う御座います、ヘンドリック侯爵様!!」

 「堅苦しいのなぁ、俺は気にしないのでラフで行こう。」

 「では、ヘンドリック卿。」

 「ん、まあ、いいか・・・」

 

 「これはご挨拶代わりの品です、お受け取り下さい。」

 用意したのは洋酒、各種グラス、洗剤などの日用品、腕時計、(公爵向けと部下への贈り物用に安物と揃えた)

 

 ヘンドリック卿は腕時計を手に取り熱心に見つめている。流石と言うか公爵へと思っていた高級品、約30万の時計を腕に嵌めている。

 「これが腕時計という物なのか?、誤差はどれくらいだ、魔石で動いているのか?」

 「はい、誤差は30日で数秒以内です、魔石では無く電池という電気を蓄える物で動いてますが、まあ、魔石のような物で一定期間で交換する必要があります。」

 「今お持ちのでしたら、約2年ぐらいですね。」

 

 「ルーカス殿、これは幾らだ・・・」

 「そうですね、それはそこに並べた中で一番高い腕時計で3000万ルドです、ちなみにこちらですと30万ルドで販売するつもりです、基本的に購入価格の100倍を掛けている、もちろん、流通が増えてきたら下げるので、先行価格にしか過ぎないのだが・・・」

 

 「しかし随分と、価格差があるもんなんだな?」

 「はい、低価格帯から高価格帯まで用途や目的に併せて作られいますので価格は様々ですね、もっと高い物だと数億、数十億の時計もありますが、この辺になるともう、時計とは言えなくなってきますね。」

 

 「ちなみにこちらの時計は30万ルドですが、この様に投げても壊れません」

 俺はそう行って衝撃に強い腕時計をおもむろに放り投げた。

 

 「おおーーっ、何をする・・・」

 「一番安い時計でもこの位では壊れはしません、こちらですと」

 そう良いながら、耐衝性の時計を窓から面の石畳に投げつけた・・・

 「奈津、拾ってきてくれ・・・」、「はい・・」

 

 「今の時計は特に衝撃に強く作られていますので少々雑にあつかったぐらいでは壊れたりしません。」

 「ほう、凄いのぉ・・・・」

 床に落とした時計を拾い上げながら不思議そうに眺めなら感心している。

 「まあ、細かい傷は入りますけどね。」

 

 「じゃこの時計も壊れんのか?」

 ヘンドリック卿はそう良いながら腕に嵌めている時計を眺めながら言っている。

 

 「いえ、落としたぐらいでは壊れないですが、高い所から落としたり投げつけたりしたら壊れますね。」

 「3000万ルドもするのに壊れるのか?」

 ヘンドリック卿としてはちょっと納得が行かないような顔をしている。

 

 「はい、そういった荒事をしない方向け、いわゆる貴族向けの時計ですので・・・」

 「軍人などですとこの辺りの耐衝撃性の時計、150万ルドから600万ルドぐらいの時計を嵌めている事が多いですね。」

 このクラスの時計だと、今後流通量が増えれば価格はぐっと下がっていくと思います。

 

 ヘンドリック卿夫人はヘンドリック卿が今嵌めている時計と同じデザインの女性用を手に取ってみている。

 「あなた、あたしこれが欲しいわぁ~」

 「これはデザインが同じ様だが・・・幾らするのだ?」

 

 「はい、ペアウォッチと行って恋人同士向けに男女同じデザインで作られた時計で同じ3000万ルドです。」

 

 「よし、この二つをもらおう、二つで6000万ルドで良いんだな」

 早速ヘンドリック卿夫人はレディース用の時計を自分の腕に嵌めて腕を顔の高さまで上げてしげしげと眺めている。

 (凄いわぁ、異世界の時計って進んでるんだわ、こんなの嵌めている夫人なんていないわよね、今度ちょっと自慢しちゃおうかしら。..)

 

 「時計のお代は結構です、それはお近づきの印にプレゼントさせて下さい。」

 「しかし、こんな高価な物をただで貰う訳にはいかん・・・」

 「いえ、いえ、今回持ち込んだ時計の中からお二つは初めから差し上げるつもりでしたから、でも、一番効果なのを選ばれるとは流石、ヘンドリック公爵ですね、お目が高いです。」

 公爵は自分の選択眼を褒められてまんざらでも無いと言う顔をして微笑んでいる。

 

 「本当に貰って良いのか?」

 「はい、けっこうです。それと洋酒と日用雑貨もお収め下さい。」

 「それと、もし、時計の事を他の貴族の方に話される時は買った事にして置いて下さい。色々と面倒になりそうですから・・・」

 

 「うむ、それはそうだな、よし、分かった、ちょっと厚かましいがそうさせてもらおう。」

 「ここにある他の時計は全部で幾らだ?」

 

 「そうですねぇ、30万ルドが10個、150万ルドが2個、300万が1個ですから900万ルドですね。」

 「や、安い、よし、全部買おう、」

 「しかしこれ全部でも、こちらの時計の1/3もしないとはな・・・」

 

 ヘンドリック卿は執事に何か耳打ちしている。

 恐らく代金を持ってくるように伝えたんだと思う。

 

 その間に、日用品に一通り説明していく、シャンプーや生理用品については奈津が夫人を部屋の隅に呼んで話している。

 (一度、使ってみて下さい、今までとは全然違いますから、,,無くなりそうになったらまた、補充に来ますから・・・お値段は約40枚で10000ルド、夜用で15000ルドです。その時、専用のショーツもお着けしておきますね。)

 

 公爵が何かと思って夫人と奈津の方に近づいていくと・・・

 「あなた、来ないで下さい。」とぴしゃりと言われて、公爵は凹んで頭をかきながらまた、こちらに戻ってきた。..」

 「まあ、女性同士が良いって物もありますから・・・」

 

 丁度その時、執事が代金が入っているであろう小袋を持って来た。

 公爵はそれを受け取り俺に渡す。

 「少ないが代金だ、受け取ってくれ。」

 

 「はっ、頂きます。」

 俺は渡された小袋を一応、確認してみると白金貨30枚が入っていた。

 「ヘンドリック卿、多すぎますよ、代金は白金貨9枚のはずですが?、30枚有りますよ。」

 俺は小袋を手のひらにこぼし、9枚を選り分けようとすると

 

 「いいんだ、受け取ってくれ、それでも足りないと思ってるんだ。」

 「いや、しかしいくら何でも多すぎます。」

 俺が白金貨21枚を返そうとすると

 「貴族が一度出した物は引っ込める訳には行かん、それにそう思うなら珍しい品は私に優先して回してくれ・・・」

 

 んー、どうしたものかと考えてみるが、どうやらやると言われたのを突き返すのはどうやらまだ、足りないと言う意味にも取られるらしいから受け取っておくか。

 

 「わかりました、有り難く頂いておきます。」

 

 その後、王都で店を開く事を伝え、追加の注文があればそちらで受ける事、を伝えて侯爵邸を後にした・・・

 

 帰り道愛彩がナプキンが1万ってどんだけぼったくりなの?、っておどろいてた・・・その反対に奈津はえらく安く売ったわねって反応だった。

 愛彩にうちの商売の基本のを説明した、貴族相手な事、売価は仕入れの100倍が基本・・・ただ、生理用品は恐らく今後継続するであろう商品のため10倍程度に抑えた事・・・その内に平民で少し余裕のある人には5000ルドぐらいに押さえて売る事を考えている事・・・ちなみに今日渡したのは500円ぐらいだった事を話すと、愛彩は20倍のぼったくりだと騒いでいた・・・

 

 当面はこのやり方を続ける事、そして出来るだけ国産化出来る用に愛彩に頑張って欲しい、平民の手の届く価格まで抑えて欲しいと頼んだ・・・

 

 「うーん、高分子は結構、学んだけど,そうねぇ・・・

 高分子ポリマー自体、作り方は何種類か有るけど、プロピレンを触媒を使って参加させて合成して作っていくんだけど・・・そこはこの国の科学力の底上げが必要よ。

 ちなみにプロピレンはナフサからナフサは原油が必要だわ。」

 「デンプンやセルロースなどの天然素材から作る物もあるんだけどね」

 

 「生理用ナプキンに関しては取り敢えず紙ナプキンの製造から初めて高分子ポリーだけ元の世界から買って混ぜた方が良いんじゃないの?」

 

 「まあ、その辺の事は宜しく頼むよ、特にそれが優先って訳じゃ内、愛彩が優先してして行って事を優先してやって良いから・・・」


 「一つ言っておくと、ここは異世界だ、元の世界の概念にとらわれすぎない事、愛彩だって魔法が使えるようになってるはずだ、特に錬金術はカントスしてるから物質の精製や合成は簡単にできると思うぞ、後で試してみると良い。.」

 

 「俺的に希望としては魔石から電気を取り出すのを何とかして欲しいって思ってるんだけどなぁ・・、既存の記述として照明やコンロにの燃料として使われているから何とかなりそうな気がするけど・・

 

 ふーん、魔法ねぇ、錬金術って言われてもねぇ、アニメで見たけどあれでどうしろって言うのよ・・・参考になる本か何か見付けてみなきゃね。折角来たんだし、何でもやってやろうじゃないのって、気合いを入れている愛彩だった。

 

【叙爵準備3】


 夜、奈津はリネーネ様の部屋に来ていた・・・

 そう、新たに取得した美顔術を試すためだ・・・

 

 「リネーネ様、新たに取得した美顔術を試したいと思いますが、テストケースになって頂いても宜しいでしょうか?」

 即答だった。

 リネーネ:(私もわかがえるかしら?、やっぱり綺麗になりたい・・・もう、どきどきよ。)

 

 「もちろん、良いわよ、思いっきりやって頂戴。」

 (うふっ、今度はどんなに綺麗になるのかしら・・・ぴちぴちのお肌になれるかしら・・・)

 リネーネは期待と興奮で打ち震えていた・・・年齢は30代、お肌の曲がり角は通り過ぎた頃であるからこそ自分の肌は気になるのは女ならごく自然な事だった・・

 

 リネーネ様は就寝前と言う事もあって化粧は落として化粧水と乳液だけの状態だったのでそのまま開始する事にした。..

 

 美容液を手に取り馴染ませてからリネーネ様の顔をマッサージしていく基本は内側から外側に円を描くようにしながら頭の中ではアフターのイメージを明確にしながら施術を施していく・・・

 始めてからおよそ30分ほど経っただろうか・・・

 

 「出来ました、お顔をご覧下さい」

 奈津はリネーネ様の前に手鏡を持って行き、顔が写る様にした・・・

 

 「「「・・・綺麗・・・、これ本当に私なの」」」

 そこには20代前半と思える女性がいたのだ・・・

 

 「す、凄いわ、有り難う、本当に有り難う。..」

 「今回は久しぶりに王都に行こうかしら・・・ふふふっ」

 (なっちゃんだから期待はしてたけど、まさかここまでとは想像を斜めに超えてきたわ・・・ふふっ、これならオリビアにも余裕だわね、ちょっと思い上がった鼻をくじいてやる良いチャンスだわ・・・)

 

 そこには黒いリネーネ様がいた・・・

 

 「ねぇ、奈津ちゃん、胸なんて出来ないかしら?」

 以前は張りのある旨だったが、アメリアを生んでおっぱいを与えた後は多少しぼんじゃったしその分垂れてきてる、これがどうにかなると凄く嬉しいんだけど・・・駄目かなぁ・・

 

 「多分ですが、綺麗にするのは出来ると思いますが、大きくしたりとかは私では無理ですねぇ、綺麗にするにしても直に触る必要がありますのでそれが問題かも知れません。」

 

 「無いわ、全然問題ないわ。お願いして良いかしら・・・」

 「はい、私もやってみたいと思ってますので・・・」

 

 話し終わるか終わらないかのうちにリネーネは着ている服を脱いで上半身は裸になった。

 「お願いね。」

 「はい、では、失礼して・・・」

 奈津はリネーネ様の胸をマッサージしていく・・・

 その内容は書くと不味そうなので割愛させて頂いて・・・

 

 施術が終了するとリネーネの喜びはひとしおだった、10代後半の一番良い時期の形に戻ったらしい、奈津に何度も何度も礼を言うほどだった。.

 落ち着いたのか服を着ながら奈津に訪ねた・・・

 

 「ねぇ、さっきは私ではって言ったわよねぇ、では、誰なら出来るの?」

 「ルーカスなら出来ると思います、多分・・・」

 「ふーん、そうなんだぁ・・・・・」

 (流石に今は無理ね、一応、辺境伯夫人という立場もあるし、急ぐ事も無いわね、きちんと家から出されれば問題はないわけだし、それからやって貰えば良いんだし・・・)

 

 。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。

 

 奈津がリネーナ様の美顔施術をしている頃、久志の部屋では愛彩と久志が話していた。

 

 「いやーまさか、愛彩ちゃんがとは思わなかったよ。ほんと驚いた・・・」

 久志は愛彩の事が全く頭に無かった訳ではない、数すくない女性の中の一人として認識はあったのだ、ただ、奈津の妹である事から奈津が拒否すると思っていたし愛彩自身にもしっかりとした職があったからその両方の面で愛彩は無いと思っていた。

 まさか、奈津自身が声を掛けるとは思いもしない事だった。

 

 「あら、でも私が久志に好意を寄せてる事は知っていたでしょう?」

 「うん、知ってたよ。でも、奈津が声を掛けて来からねぇ・・・」

 

 「お姉ちゃんの事を思っていた訳では無いんでしょ、奥さんの友達という認識だったはずよ。」

 「ま、それを言われるとちょっと、内緒だけど、電話もらった時はなんで、って感じだったかな?、色々手伝ってもらううちに良いかなぁって思うようになったからさ・・・」

 

 「多分、電話もらってなかったら愛彩に電話してたかも知れないな、結構、やり取りがあったし好意を持って貰ってるのもるのも知ってたし・・・」

 「これは奈津には内緒だよ。」

 

 「うん、言わないよ、っていうかお姉ちゃんも私が久志とやり取りしてる事を話した時に感づいたと思うわよ、でも、気づかない振りというか気づきたくないって言うか微妙なんだよね」

 

 姉妹だから上手くいくのか姉妹だから上手くいかないのか微妙な物だとおもう、果たして今後、二人の関係がどうなるのかは予測は付かないが、誠意を持って対応していこうと思う久志だった。

 

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 翌朝

 アメリアと俺の叙爵のために王都へと出発する事になった。

 辺境伯夫妻、アメリア、ルーク侯爵、ソフィー、奈津、愛彩、メイドのジェシカに俺を加えた9名に護衛の騎士5名+御者2名を加えた総勢、16名となった。

 馬車2台+ATV1台で王都へ向かう

 王都へはおよそ10日の道のりだ・・・一日の移動距離は30kmから40km位しか進めない、高速があれば1日で移動出来る距離をのんびりと休憩を入れながら走って行く・・・

 

 道中、基本的には宿に泊まるのだが、状況によっては野宿の場合もある、野宿の場合は騎士達はテントを張るのだが俺たちの場合はアイテムボックスから核シェルターを出して野営した。

 食事はもっぱらレトルトとインスタント食品でまかなった。早いし片付けも楽だからね。

 

 王都までの道中はゴブリンが数匹出てきたぐらいで騎士達が瞬殺していた、街道沿いの木に不審者の影が有り、そこから2km程入った森に20人程度の盗賊と思われる者達がいたが、襲っては来なかったので、多少遅れている事も有り酢のまま素通りした。

 

 王都に着いて一旦は辺境泊邸の付いてアメリアにはここで待つように伝えて、俺たちはその足でヘンドリック侯爵邸へと向かう事にした。

 

 「ねぇ、屋敷には行かないの?」

 「うん、叙爵が終わってから連れて行くよ、それまではひ・み・つだよ。」

 「「「「意地悪・・・」」」

 

 アメリアの抗議を背中に聞きながらヘンドリック侯爵邸へと急いだ・・・

 以前、会った時に来るように言われていたのだ・・・

 

 。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。

 

 □■□ ヘンドリック侯爵邸 □■□

 

 最初の目的地である

 ロックフォート領の領主であるヘンドリック・フォン・ブルーナ・ロックフォート侯爵の屋敷に着いた。

 ヘンドリック侯爵とは前回、国王に謁見した後に声を掛けられ是非、来るようにと言われていたので今回王都に行く前に寄ると伝えてあった。

 

 警備の騎士に取り次いでもらうと連絡は付いていたみたいで直ぐに通された。

 通された部屋はビクトリア様式とでもいうのか、かなり豪華で広い部屋でだった、やはり公爵ともなると財力が凄いのだと改めて思い知らされる。

 

 辺境伯のメイドのスカートはロングだったが公爵家のメイドは膝上のミニとも呼べる物だったがこの辺は多分公爵の好みなんだろうと勝手に推測しておく。

 

  メイドから出されたお茶を飲みながら待っているとヘンドリック公爵がやって来た。

 「おおっ、やっときてくれたか、待ってたぞ!!」

 「お、忘れ取った、男爵への叙爵おめでとう。」

 

 「有り難う御座います、ヘンドリック侯爵様!!」

 「堅苦しいのなぁ、俺は気にしないのでラフで行こう。」

 「では、ヘンドリック卿。」

 「ん、まあ、いいか・・・」

 

 「これはご挨拶代わりの品です、お受け取り下さい。」

 用意したのは洋酒、各種グラス、洗剤などの日用品、腕時計、(公爵向けと部下への贈り物用に安物と揃えた)

 

 ヘンドリック卿は腕時計を手に取り熱心に見つめている。流石と言うか公爵へと思っていた高級品、約30万の時計を腕に嵌めている。

 「これが腕時計という物なのか?、誤差はどれくらいだ、魔石で動いているのか?」

 「はい、誤差は30日で数秒以内です、魔石では無く電池という電気を蓄える物で動いてますが、まあ、魔石のような物で一定期間で交換する必要があります。」

 「今お持ちのでしたら、約2年ぐらいですね。」

 

 「ルーカス殿、これは幾らだ・・・」

 「そうですね、それはそこに並べた中で一番高い腕時計で3000万ルドです、ちなみにこちらですと30万ルドで販売するつもりです、基本的に購入価格の100倍を掛けている、もちろん、流通が増えてきたら下げるので、先行価格にしか過ぎないのだが・・・」

 

 「しかし随分と、価格差があるもんなんだな?」

 「はい、低価格帯から高価格帯まで用途や目的に併せて作られいますので価格は様々ですね、もっと高い物だと数億、数十億の時計もありますが、この辺になるともう、時計とは言えなくなってきますね。」

 

 「ちなみにこちらの時計は30万ルドですが、この様に投げても壊れません」

 俺はそう行って衝撃に強い腕時計をおもむろに放り投げた。

 

 「おおーーっ、何をする・・・」

 「一番安い時計でもこの位では壊れはしません、こちらですと」

 そう良いながら、耐衝性の時計を窓から面の石畳に投げつけた・・・

 「奈津、拾ってきてくれ・・・」、「はい・・」

 

 「今の時計は特に衝撃に強く作られていますので少々雑にあつかったぐらいでは壊れたりしません。」

 「ほう、凄いのぉ・・・・」

 床に落とした時計を拾い上げながら不思議そうに眺めなら感心している。

 「まあ、細かい傷は入りますけどね。」

 

 「じゃこの時計も壊れんのか?」

 ヘンドリック卿はそう良いながら腕に嵌めている時計を眺めながら言っている。

 

 「いえ、落としたぐらいでは壊れないですが、高い所から落としたり投げつけたりしたら壊れますね。」

 「3000万ルドもするのに壊れるのか?」

 ヘンドリック卿としてはちょっと納得が行かないような顔をしている。

 

 「はい、そういった荒事をしない方向け、いわゆる貴族向けの時計ですので・・・」

 「軍人などですとこの辺りの耐衝撃性の時計、150万ルドから600万ルドぐらいの時計を嵌めている事が多いですね。」

 このクラスの時計だと、今後流通量が増えれば価格はぐっと下がっていくと思います。

 

 ヘンドリック卿夫人はヘンドリック卿が今嵌めている時計と同じデザインの女性用を手に取ってみている。

 「あなた、あたしこれが欲しいわぁ~」

 「これはデザインが同じ様だが・・・幾らするのだ?」

 

 「はい、ペアウォッチと行って恋人同士向けに男女同じデザインで作られた時計で同じ3000万ルドです。」

 

 「よし、この二つをもらおう、二つで6000万ルドで良いんだな」

 早速ヘンドリック卿夫人はレディース用の時計を自分の腕に嵌めて腕を顔の高さまで上げてしげしげと眺めている。

 (凄いわぁ、異世界の時計って進んでるんだわ、こんなの嵌めている夫人なんていないわよね、今度ちょっと自慢しちゃおうかしら。..)

 

 「時計のお代は結構です、それはお近づきの印にプレゼントさせて下さい。」

 「しかし、こんな高価な物をただで貰う訳にはいかん・・・」

 「いえ、いえ、今回持ち込んだ時計の中からお二つは初めから差し上げるつもりでしたから、でも、一番効果なのを選ばれるとは流石、ヘンドリック公爵ですね、お目が高いです。」

 公爵は自分の選択眼を褒められてまんざらでも無いと言う顔をして微笑んでいる。

 

 「本当に貰って良いのか?」

 「はい、けっこうです。それと洋酒と日用雑貨もお収め下さい。」

 「それと、もし、時計の事を他の貴族の方に話される時は買った事にして置いて下さい。色々と面倒になりそうですから・・・」

 

 「うむ、それはそうだな、よし、分かった、ちょっと厚かましいがそうさせてもらおう。」

 「ここにある他の時計は全部で幾らだ?」

 

 「そうですねぇ、30万ルドが10個、150万ルドが2個、300万が1個ですから900万ルドですね。」

 「や、安い、よし、全部買おう、」

 「しかしこれ全部でも、こちらの時計の1/3もしないとはな・・・」

 

 ヘンドリック卿は執事に何か耳打ちしている。

 恐らく代金を持ってくるように伝えたんだと思う。

 

 その間に、日用品に一通り説明していく、シャンプーや生理用品については奈津が夫人を部屋の隅に呼んで話している。

 (一度、使ってみて下さい、今までとは全然違いますから、,,無くなりそうになったらまた、補充に来ますから・・・お値段は約40枚で10000ルド、夜用で15000ルドです。その時、専用のショーツもお着けしておきますね。)

 

 公爵が何かと思って夫人と奈津の方に近づいていくと・・・

 「あなた、来ないで下さい。」とぴしゃりと言われて、公爵は凹んで頭をかきながらまた、こちらに戻ってきた。..」

 「まあ、女性同士が良いって物もありますから・・・」

 

 丁度その時、執事が代金が入っているであろう小袋を持って来た。

 公爵はそれを受け取り俺に渡す。

 「少ないが代金だ、受け取ってくれ。」

 

 「はっ、頂きます。」

 俺は渡された小袋を一応、確認してみると白金貨30枚が入っていた。

 「ヘンドリック卿、多すぎますよ、代金は白金貨9枚のはずですが?、30枚有りますよ。」

 俺は小袋を手のひらにこぼし、9枚を選り分けようとすると

 

 「いいんだ、受け取ってくれ、それでも足りないと思ってるんだ。」

 「いや、しかしいくら何でも多すぎます。」

 俺が白金貨21枚を返そうとすると

 「貴族が一度出した物は引っ込める訳には行かん、それにそう思うなら珍しい品は私に優先して回してくれ・・・」

 

 んー、どうしたものかと考えてみるが、どうやらやると言われたのを突き返すのはどうやらまだ、足りないと言う意味にも取られるらしいから受け取っておくか。

 

 「わかりました、有り難く頂いておきます。」

 

 その後、王都で店を開く事を伝え、追加の注文があればそちらで受ける事、を伝えて侯爵邸を後にした・・・

 

 帰り道愛彩がナプキンが1万ってどんだけぼったくりなの?、っておどろいてた・・・その反対に奈津はえらく安く売ったわねって反応だった。

 愛彩にうちの商売の基本のを説明した、貴族相手な事、売価は仕入れの100倍が基本・・・ただ、生理用品は恐らく今後継続するであろう商品のため10倍程度に抑えた事・・・その内に平民で少し余裕のある人には5000ルドぐらいに押さえて売る事を考えている事・・・ちなみに今日渡したのは500円ぐらいだった事を話すと、愛彩は20倍のぼったくりだと騒いでいた・・・

 

 当面はこのやり方を続ける事、そして出来るだけ国産化出来る用に愛彩に頑張って欲しい、平民の手の届く価格まで抑えて欲しいと頼んだ・・・

 

 「うーん、高分子は結構、学んだけど,そうねぇ・・・

 高分子ポリマー自体、作り方は何種類か有るけど、プロピレンを触媒を使って参加させて合成して作っていくんだけど・・・そこはこの国の科学力の底上げが必要よ。

 ちなみにプロピレンはナフサからナフサは原油が必要だわ。」

 「デンプンやセルロースなどの天然素材から作る物もあるんだけどね」

 

 「生理用ナプキンに関しては取り敢えず紙ナプキンの製造から初めて高分子ポリーだけ元の世界から買って混ぜた方が良いんじゃないの?」

 

 「まあ、その辺の事は宜しく頼むよ、特にそれが優先って訳じゃ内、愛彩が優先してして行って事を優先してやって良いから・・・」


 「一つ言っておくと、ここは異世界だ、元の世界の概念にとらわれすぎない事、愛彩だって魔法が使えるようになってるはずだ、特に錬金術はカントスしてるから物質の精製や合成は簡単にできると思うぞ、後で試してみると良い。.」

 

 「俺的に希望としては魔石から電気を取り出すのを何とかして欲しいって思ってるんだけどなぁ・・、既存の記述として照明やコンロにの燃料として使われているから何とかなりそうな気がするけど・・

 

 ふーん、魔法ねぇ、錬金術って言われてもねぇ、アニメで見たけどあれでどうしろって言うのよ・・・参考になる本か何か見付けてみなきゃね。折角来たんだし、何でもやってやろうじゃないのって、気合いを入れている愛彩だった。

 

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2018/09/17:誤字、脱字、誤用の修正をしました。

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