第16話  氷の中

ジェイドに肌もあらわな状態で組み敷かれているアスカを見て、レオンの体に怒りが駆け巡った。


「ジェイド!アスカから離れろ!」


ジェイドはニヤリと笑い、レオンに見せつけるようにアスカの乳房を鷲掴みにした。

「いたっ・・・」

屈辱と苦痛でアスカの顔が歪む。


「そこで突っ立って見ているがいい。愛しい者が汚される姿をな。」

「ふざけるな!!」


レオンは煉獄の剣をジェイドに向けた。

「オレの友達を返してもらう!」


「返すも返さないも、この女は私が金で買った。もう私のモノ・・・どうしようが私の自由だ。」


「黙れ!アスカは女じゃない!!」


レオンは剣を振り下ろす。


ジェイドは、怪物を一刀両断したレオンの剣を難なく避けた。


「まだまだ・・・お前は私の相手ではないが、見せてやろう。


氷の剣だ!」


ジェイドが白銀色の鞘から抜いた剣は、青く冷たく光り、冷気を放つ。


「それは・・・?!」

アスカは初めて見る2本の美しい剣に目が釘付けになった。


燃えるような紅、煉獄の剣。


凍てつく蒼、氷の剣。


2本の剣が向き合うと、キイイイイン と共鳴するような音がする。


「ジェイド!」

レオンは渾身の力を込めて剣を振る。


しかしジェイドは全てを見切っているように軽々と受け止めた。


(ダメだ・・・レオンが殺される・・・!)

アスカは思った。

(レオンはきっと素晴らしい勇者になる・・・けど、今はまだジェイドに比べて若すぎる・・・!

あの剣に慣れていない感じが・・・・。

このままでは・・・どうしよう・・・!)


ゴッ!


レオンの手から煉獄の剣が吹き飛ばされた。


圧倒的にジェイドが強い。


「お願い!レオンを傷つけないで!」

アスカがジェイドに取りすがる。


「心配するな。殺しはしない。彼には面白いものを見せてやろう・・・」


ジェイドが氷の剣を通して呪文を唱えると、剣から冷気が溢れだしレオンを取り巻いた。


「なっ・・・!」

「レオン!」


レオンの足はあっという間に氷に包まれ、それはどんどん上に上って来た。

アスカへ手を伸ばした態勢で、頭まで氷漬けになる。


「レオン!レオン!」

アスカはレオンを包む氷を割ろうと、近くに会ったろうそく立てでバンバン叩く。しかし氷はダイヤモンドのようにビクともしなかった。


「ジェイドさん!レオンを助けて!」

「大丈夫だ。しばらくの間動けなくなるだけで死にはしない。意識はあるし目は見える。音も・・・声も聞こえる。」


ジェイドはアスカの腰を乱暴に抱き寄せ、唇を重ねた。

体に巻き付けていた布を引きはがして再びは全裸にする。


「やめてっ・・・」アスカは抵抗するが、ジェイドの力には叶わない。


氷漬けにされたレオンの目が少し見開く。(アスカ!!)


アスカはハッとした。

「まさか・・・まさかジェイドさん・・・!」

ジェイドはアスカを四つん這いにさせた。動けないレオンによく見えるように。


「いやっ・・・だ・・・それだけは・・・やめてください・・・」

「ダメだ。お前は、愛しいレオンに見られながら初めて私に抱かれる。もっとも恐れていたことだろう。

勇者レオン、動けないまま己の無力さを呪うがいい。

お前は泣き叫ぶアスカを助けることが出来ないのだ。」


(やめろ!!!)

声が出せないレオンは心の中で叫んだ。


アスカは、せめてレオンに目を閉じていて欲しいと願ったが、氷漬けにされた彼の瞳は開いたまま。


ジェイドに体中愛撫される様を隠すことは出来ない。


「あっ・・あっ・・」

どんなに我慢しても経験のない感覚に声が出てしまう。

人魚の実の効果なのか、快感を感じるアスカは恐ろしいほど艶めかしく見える。

それはジェイドでさえも一瞬我を忘れてしまうほどだった。


ジェイドは熱くなったアスカの身体から自分の手と舌を離し、アスカの口に自分の物を近寄せる。

「舐めろ」

アスカは屈辱に震えながら、小さな口を開けた。




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