『扉』

君は言った、抱え込まずに話してくれと


僕は言った、人に耐えられるほど軽くないと


それでも打ち明けて欲しいと願ってしまった君の想いを跳ねのけることは出来なかったのだった


君の愛する人が一日の中で死にたいと思う時間が沢山あったとしたらどうして耐えられる?


答えは皆無だ、君の辛さは僕にとって何万倍も辛いのに僕にも耐えられないって解っていたのに…


胸が詰まるよ


話すべきじゃなかったのかも知れない、結果は考えられたのに


知らない方が嫌だという言葉に甘えてみたくなってしまった


話してみたいと思ってしまった


僕は大馬鹿者でした


扉をノックする声を流していたのに、扉を遂に開いてしまいました


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