前田薫八の「勝手に受賞作読んでみた感想文」

第3回講談社ラノベ文庫新人賞

個人的おすすめ作品ベスト３

１位　ハロー・ワールド ―Hello　World―

２位　サービス&バトラー

３位　ウィークエンド・ドラゴン

　１位の「ハロー・ワールド ―Hello　World―」は軍事産業を牛耳る大企業から逃げ出してきた天才プログラマーのヒロインとそのヒロインを拾った主人公の物語。企業からの刺客に狙われながらも普通の女の子として成長していくヒロインは読んでいて応援してくなってきます。企業の中にも理解ある人はおり、追う側も追われる側もいろいろな事情が絡み合っていました。

　２位の「サービス&バトラー」はテニスで勝負するお話。主人公は怪我でテニスができなくなった元特待生。ヒロインに執事兼コーチとして雇われます。雰囲気はかなりコメディ寄り。しかし、最後はやっぱり萌えよりも燃えが強かったですね。締めるところはしっかり締めていました。

　３位の「ウィークエンド・ドラゴン」はある日普通の高校生活を送っていた主人公がドラゴンのいる世界へと行ってしまい、ドラゴンと一緒に旅に出るというお話。ヒロインはその世界で出会った薄幸な少女。主人公はそのヒロインを守るために戦うのですが、この主人公、実はとんでもない秘密があり……。

その他の作品の感想

「揺り籠の悪魔と零のアリア」：主人公がある日サキュバスに襲われて瀕死になったところに人外の力を得るお話。特殊用語がいっぱいでカッコよかったです。

「星撃の蒼い魔剣」：ある日主人公が異形に出会い、それとともに不思議な剣を手に入れて戦うお話。シリアスな雰囲気と思いきや、意外とサービスシーン満載だったりします。

総評

　今回は五作と講談社ラノベ文庫新人賞としては多めかな？　まだ開始して三回目なのでとにかく受賞者を多くとって育てていこうという思惑があったのかもしれません。

　ジャンルとしては現代物が多かった印象です。異世界要素があるものでもベースは現代であるものが多かったですね。この回は現代が強かったのでしょう。