第21回電撃大賞

個人的おすすめ作品ベスト3


1位 ちょっと今から仕事やめてくる

2位 いでおろーぐ!

3位 運命に愛されてごめんなさい。


 1位の「ちょっと今から仕事やめてくる」はかなり話題にもなったので今更私がオススメするまでもないかもしれませんが、やはり読んでみて面白かった。これはオススメせざるを得ない! 仕事や人生に疲れている人は特に読んでほしいですね。読後感もいい。ただ辛い話というわけではないのが素晴らしいと思いました。


 2位の「いでおろーぐ!」は恋愛を否定する学生革命家たちの奮闘劇。ラブコメとも言う。恋愛を否定するラブコメとは発想が面白かった。恋愛を否定しながら恋に落ちていく登場人物たちを見ると、どうなってしまうのだろうかと最後までハラハラして読めました。ヒロインの反応が一々可愛いのもよかったです。


 3位の「運命に愛されてごめんなさい。」はギャグ要素の強いラブコメ。いろいろとツッコミたいところはあるが、ツッコミを入れたら負けのような気がしました。主人公が運命に愛されて生徒会長という権力を握り、そこから転落していく様は予想ができても面白く読めました。思いっきり笑いたい人にオススメ。





その他の作品の感想

「ひとつ海のパラスアテナ」:陸がなくなって海ばかりになってしまった世界のお話。設定が面白く、よく考えられていると思いました。少し辛い展開があります。


「φの方石(ファイのほうせき) ―白幽堂魔石奇譚―」: 方石という一瞬で特殊な効果のある衣裳に着替えることができる魔石をめぐるお話。恋愛要素や陰謀など、様々な要素が組み込まれています。ちょっと少女漫画のような雰囲気があるかも。


「マンガの神様」:マンガの神様という必ず漫画的な展開に巻き込まれてしまう少女と天才漫画家青年のお話。思ったよりもシリアスな展開が多かったです。作中のマンガ論は、小説を書く人にも参考になるかも?


「レトリカ・クロニクル 嘘つき話術士と狐の師匠」: 話術だけで様々な問題に立ち向かう主人公のファンタジー小説。人間と獣人の問題などを扱っており、結構シリアスな展開が多いです。バトル要素は薄めですね。


「バリアクラッカー 神の盾の光と影」:こっちはバトル要素が多めのシリアスファンタジー。ミステリー要素も加わって、謎を解く快感もあります。シスターが好きな人にオススメ。





総評

 2位の「いでおろーぐ!」と3位の「運命に愛されてごめんなさい。」は同じラブコメというジャンルですが、方向性はまったく違います。同じラブコメでも、こういう風に違う味付けのラブコメを受賞させるのはさすが電撃だと思いました。

 全体としては、この年はバランスよく幅広いジャンルを受賞させたと思います。話題的には「ちょっと今から仕事やめてくる」が完全に独占しているようですが、他にも面白い小説は多いです。ぜひとも興味を持った小説は実際に手にとって読んでみてください。

 傾向分析はこの年ですとちょっと難しいかも。偏りが少ないので、傾向が読めません。それだけバランスがいいとも言えるので、どんな小説でも受賞できるということかも。カテゴリーエラーになることは滅多にない証拠か?

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