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「えっと、どうぞお構いなく」


 あなたはそう言うと、チンピラ包囲網が完成する前に一目散に逃げ出した。


「あっ、てめっ、待ちやがれっ!」


 虚を突かれたチンピラ達は一瞬動きが止まるものの、すぐにあなたに向かって走り始めた。一瞬の隙で出来たアドバンテージは大きく、チンピラ共とあなたとの間に出来た距離は縮まる事なく、それどころかどんどんその距離は開いていく。


「くそっ! てめっ! 覚えてやがれっ!」


 チンピラはお約束の台詞をつぶやいて、あなたを追いかけるのをやめてしまった。どうやら体力も執念もあまり持ってはいなかったようだ。


 こうしてあなた見事にこの厄介チンピラから逃げ切る事に成功したのだった。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054886424135/episodes/1177354054886510771

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