レベル128 境界の樹海ディープGオーシャン

 三分の一サイズになった事で、アクアのパラメーターは全て三分の一となっている。

 カードの裏面を見ると、伸びるのとは逆に元のゲージの一部が赤くなっている。

 たぶん赤く成っている部分が減っている量なのだろう。


「ただまあ、アレだとほんとパラメーター関係なさそうだなあ」


 ニトロにしろ水蒸気爆発にしろ、あまり魔力は必要ない。

 さすがに水爆ともなれば、核爆発なみの火力がいるが、水蒸気爆発程度なら、水出して炎の塊出して終わりだ。

 威力については化学反応による爆発なので魔力関係ない。実にエコで有る。


「いやあ、アレだけ強力だと、ボクの出番はまったくないね!」


 いや、お前も戦えよ?

 今回、態々陸路を行ってるのは、レベル上げも兼ねているんだぞ。

 とりあえずオレ達は、エンテッカルの首都に向かうことにした。

 しかし、向こうからはアポロとカシュアのみしか入国を許さないと通達が来た。


 随分強気な発言だ。向こうは戦争したくて仕方が無いのだろうか?

 力を持つと、それを使いたくなる。

 良くある話だが、こっちを巻き込まないで貰いたいものだ。


 仕方ないんでオレは密入国する事に決めた。

 入ってしまえばなんとかなる。と思いたい。

 空から行くとバレバレなので、人と出会う事がなさそうな場所をレベル上げも兼ねて進んでいる所だ。


「誰もが危険で寄り付かない場所だって言ってたけど、あまり大した事無いね!」

「そりゃピクサスレーンの危険地帯に比べればな。まあオレ達のレベルも結構上がっているし」


 敵のレベルはそこそこ、数もそこそこ、そこそこなんだが、ここいらの人は危険で寄り付けないらしい。

 どれだけピクサスレーンが危険な場所に出来てるか良く分かる。

 あっちじゃこれぐらいのモンスターは、子供でも戦えなければ生きていけないからな。


「ほらお前も戦えよ、向こうに付くまでに30レベルにしとけ」

「え~」

「え~言うな」


 あと1レベルだろ? ほら頑張れ。

 オレもパワードスーツのレベルを上げないとな。

 コレを着てモンスターを倒すとレベルが上がる。

 パワードスーツ、レベルを上げるとやはり強化される数値が伸びる模様。


 ただ、パワードスーツ自体のパラメータを上げても強化には影響しない。

 レベルアップのボーナスポイントをパラメータに振っても、強化の赤ゲージは伸びなかった。

 鎧に、知能や攻撃に振っても意味無いので、防御に全振りでござる。

 コレのレベル上げる事によりオレ自身の能力も底上げできる。

 その内、ラピスぐらい素早く動けるようになったらいいなあ。


 あと、意外な使い方が発見された。

 これ着せた奴をオレの好きなように操れる。と、いうことで、


 人型モンスターにこれ着せて見たんだよ。


 そのモンスターを操って敵を攻撃する事が出来た。

 ただまあすぐにやられちまったが。

 操縦は熟練が必要だなと思った。


 しかしこれ極めたら、敵を操って同士討ちなんて事も可能だな。

 ちょっと鬼畜っぽいか?

 モンスターについても一時的にゲットする、みたいな状況になれる。

 鎧が着れるサイズの奴に限るが、なかなか奥の深い使い方が出来そうだ。


「おいカシュア、オレばっかり戦っているぞ?」

「そんな事言われても、二人とも強過ぎだよぉ!」


 オレとアポロが全力で戦っている所為でカシュアの手付けが出来ていない模様。

 この森に入るときは村の人から、絶対止めとけ! 死にに行くようなものだ! なんて言われたものだが、あんまり大した事ないな。


「いや、二人が特別すぎるんだと思うよ?」

「アクア・アポロ組みは兎も角、オレなんて普通だろ?」

「そう思っている君の頭をシェイクしてあげたいよ!」

「……ただでさえクイーズは一流の腕前。それつけたらSクラス」


 そうかなあ、自分じゃあまり変わった気はしないのだが?

 ラピスや骸骨と比べたらまだまだだと思うのだが?


「……比べる相手が間違っている」

「君はあれだね! もっと自分を知るべきだね!」


 お前に言われたかないわ!

 ただまあ、三人で旅をすることにより、ちょっと問題が発生した。

 オレとアポロは生身の人間。即ち、寝ないと死ぬわけで……


「そろそろ日が落ちてきたね! 野営の準備をしなくちゃね」

「じゃあ一旦カードに戻すぞ」

「うん! お願いするよ!」


 カシュアの奴は、一旦カードに戻して再召喚すれば眠気がリセットされる。便利な奴だ。

 なので野営の見張りを頼んでいる。ほんとに警戒しているかどうかは神のみぞ知る。

 アクアは元々睡眠が必要ないので、オレとアポロが寝ている間は例の爆発する水を張り巡らせて防衛してくれている。


 うん、アクアだけ居れば良いよなコレ。


 そして何が問題なのかと言うと……


「…………じゃあ、ねよ?」


 テントの中には二人っきり。

 そしてなんか、とっても近いのですよアポロさん。

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