レベル82
「おう、それじゃ頑張って来いよ!」
えっ、行きたくない? 大丈夫、大丈夫。なんか凄そうなスキルがいっぱい出たじゃないか。
さすがは上級モンスターでしかもレア種。
☆8と骸骨並みのレアリティ。スキルに関しては3つもついていた。
『グリフォン・アイリスブラッド・カイザー』
☆8・レベル1
スキル:風圧無効、超加速、擬態+
いきなり+付きの擬態ですってよ奥さん。
このカード、人化はデフォで入っているのだろうか。
えっ、人間ていいな? おいしいおやつにほかほかお風呂、あったかい布団でゆっくり眠れただって? なんだかんだで堪能してるなお前。
ふむ、グリフォンのままだと自分、布団扱いされていただと……苦労してたんだな……
まあ、姫様にカード預けとくから、なんかあったらカードに戻っとけばいい。
「ふむ、出す時は『出でよ! グリフォン・アイリスブラッド・カイザー!』と言えばいいのだな」
なんか、オレのモンスターカードのスキル自体の熟練度が上がったのか、直接手渡したカードに付いては、オレ以外でも戻したり召喚出来るようになっている。
女格闘家のアスカさんにはスラミィを、姫様にはこのグリフォン、あとカユサルにはグランドピアノのカードを預けている。
こないだそれを忘れてて全カード召喚した時に、無くしたかと思って慌てただろ! ってアスカさんに首を絞められたのはいい思い出である。
今度からは気をつけよう……死ぬかと思った。
そしてココから聖皇国に行く方法だが、なんと! 直通の転移魔法陣があるらしい。
まあ、元々ヘルクヘンセンは聖王国の子飼いの一国だったからあって当然と言えば当然だが。
「転移魔法陣の準備が出来てございます」
準備が整ったようなので魔法陣の有る場所に向かう。
「どうしてパセアラがここに……」
そこには、女王であるパセアラと骸骨ダンディが見送りに来ていた。
「………………」
ダンディがパセアラの背中を軽く叩く。
あいつ、意外とおせっかいな所があるよな。
「女王としての仕事よ……別にあなたが心配で来た訳じゃないわ」
そう言ってスタスタと歩いていく。
ダンディがヤレヤレって感じで肩をすくめている。
「綺麗な人ね……今の人がクイーズの初恋の相手だよね?」
「えっ、なんで知ってるの!?」
いやっ、違うんスよ! いやっ、違う事もないんスけど!
誰だよ! エクサリーにチクッた奴!
ロリドラゴン、お前か!?
イダッ、イダダ、そうだよな、お前が知ってる訳ないし。
「コイツ、ウワキモノ。パセアラ、スキッテイッテタ」
やっぱりお前か! あとそれ5年も前の話だからな!
誤解されるような事言うなよ!
「そりゃあれだけ美人なら誰だって……」
何言ってんですかエクサリーさん。
美人は三日で飽きるっていいましてね、怖い顔も三日で慣れるというんですよ。
えっ、それブスじゃないかって?
おまっ、なんて事言うんだよ! エクサリーは怖いが決してブスではない!
あとホントは三日では慣れませんでした。だって怖いんだもの。
あっ、なんか怖い怖い言い過ぎで不機嫌になったかも?
それとお前、いつまで食いついて居るつもりだ? いい加減離れろよ、おめえの涎で一張羅の服が台無しになるだろ!
そんな一悶着があった後、聖皇国の皇帝陛下と謁見する事になった。
ロリドラゴンの所為でズボンに穴が空いたのだが大丈夫だろうか?
まあいっか。どうせ誰もオレの方など見ないだろう。
と思っていたところ、いつぞやの妙齢の女性が手を振っているじゃありませんか。
その女性とは、大神殿でアポロの顔の傷を治してくれたあのヒーローである。
えっ、なんでこんな所に居るの?
「ちょっとちょっと、あそこで手を振っている人って誰か知ってる?」
オレは手を振り返しながら隣のカユサルに問いかける。
「あのお方は、皇帝の一人娘のユーオリ様ですね」
「えっ、お姫様!? オレ、ピクサスレーンの大神殿で見かけんたんだけど?」
カユサルの話ではピクサスレーンの神殿はすべて聖皇国の物という話だ。
大きな国では自前の神殿を持って居る所も有るが、自前で用意するのは何かと手間な上に軋轢を生みかねないので、大抵はこの聖皇国に頼むんだと。
また、唯でさえ孤立しかねないピクサスレーン、多少は他国の手が入ったほうがバランスが取れるそうな。
なので、偶に神殿の代表格であるユーオリ様が来られる事もある。偶々そう言った日に当たったようだ。
「偶々……とは言い切れませんがね。彼女もまた、珍しいものが大好きらしいですし」
珍しいもの? なんかあったっけ?
えっ、オレが珍獣扱いなの? なんでだよ?
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