ヒロシ、急所封じで這いつくばって断頭台で死ぬ。

 今日はマルぼん、ヒロシと飯を食いに来ています。マルぼんのなじみのラーメン屋です。



店主「注文は?」



ヒロシ「シェフのおすすめを」



店主「うちはすべての料理が毎日おすすめなんだ。わけのわかんねえことを言うやつは帰れ!」



 気に入らない客をスープの出汁にして逮捕されたこともある店主(出汁にする方法は内緒)だったので、マルぼんとヒロシは店から追い出されました。



ヒロシ「僕はシェフのおすすめ料理以外食さないの!」



マルぼん「『おすすめ黒板』~!」



 よく、ちょっと小じゃれたレストランの入り口に、その日のシェフのおすすめ料理なんかを記した黒板が置かれているじゃないですか。それとおんなじ感じの黒板です。



マルぼん「この黒板を店の前に置く」



ヒロシ「なにも書かれていない黒板に、文字が浮かび上がってきたでおじゃる!? えっと『店主のおすすめ 五目チャーハン』だって」



マルぼん「『おすすめ黒板』を店の前におくとね、その日のその店のおすすめの品が浮かび上がってくるんだ。しかもお店にはいると」



店主「らっしゃい! 五目チャーハンできてます!」



マルぼん「自動的にその『おすすめの品』をだしてくれるようになる」



ヒロシ「ほうほう」



マルぼん「まぁ、その店の『おすすめの品』が必ずしも良いものとは限らないけどさ」



ヒロシ「この五目チャーハンうめえ!うっ!?」



 突然、腹部の痛みを訴えるヒロシ。救急車で病院へ連れて行くと、医者は重い表情。緊急手術がはじまりました。



 数時間後、ヒロシはなぜか頭に包帯を巻いた状態で手術室から出てきました。麻酔が速攻で切れたようで意識はあったのですが、目はうつろ。



医師「ひとまず、今日のところはお引取りください」



 病院を出ようとしたとき、マルぼんは『おすすめ黒板』がなくなっていることに気づきました。



マルぼん「あ、そうだ。病院に入る時、黒板を」



 入り口のところに置き忘れたのを思い出しました。いそいで取りに行くと、黒板には



『執刀医(シェフ)のおすすめ ロボトミー手術』




 の文字が。

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