なんだかとっても寒いんだ
ヒロシ「暑い暑い暑い暑い超暑い! 地球キモい! 冷房をつけよう」
マルぼん「冷房は故障しているよ。毎日毎日、学校にも行かず、『地球温暖化? しらねー』って具合にガンガン冷房かけてパソコンの前に座りっぱなしだったし」
ヒロシ「うへー。神も仏もナッシング! マルぼん~涼しくなる機密道具~」
マルぼん「一応、飲めばとても涼しい目に遭える機密道具『ひんやり糖』ならあるよ。ほら」
ヒロシ「所望しよう。ボリボリ」
マルぼん「ああ!? 全部食べた!! 『ひんやり糖』は飲めば飲むほど効果が増すんだ! そんなに飲んだら、涼しいというより寒いよ!!」
ヒロシ「かまわないよ~僕は暑さより寒さのほうが好きなんだ」
マルぼん「でも、でも、体にだね…」
ヒロシ「うっるさいなー。僕の勝手だろ」
マルぼん「(ぶちっ)ああ?」
ヒロシ「え、どうしたの?」
マルぼん「いいかげんにしろよ、クズ。人が下手にでりゃあつげやがりやがって。もういい。殺す。おまえ、殺す。殺して煮て埋める。そしてそのあと、人類滅ぼす!」
ヒロシ「や、やめろよ、マルぼん。そんな濃硫酸の入った瓶なんか持たないで。
ねえ、マルぼん。マルぼん!」
マルぼんは本気でした。本気の目をしていました。
僕はなんとか濃硫酸の攻撃をよけ、外へと飛び出しました。
ルナちゃん「ヒロシに死を!」
ナウマン象「ヒロシに死を!」
町の人々は、脳に卵を産み付けられ、マルぼんの思うように操られています。僕は人目につかない廃工場に逃げ込みました。
時間は過ぎ、すでにあたりは真っ暗。廃工場なので電気もつきません。
「おなかが減ったよ」
右手の人さし指から、かすかに匂いがしました。夕食にでる予定だったからあげをつまみ食いした指です。かすかになめると、ほんの少し、からあげの味がしました。
指をなめながら、僕は横になりました。震えがではじめました。
いつ、マルぼんや操られた人々がここを発見するかを考えると、
不安で仕方がなかったのです。
「寒い、寒いよ…震えが止まらないよ……」
薄れていく意識の中で、僕は、『ひんやり糖』の…こ…うか……はぜ…つだ…いだと…おもい……ま……………した。
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