ヒロシ、裏切り者の名を受ける
ヒロシ「む。あそこでなにやら話をしている2人組がいるぞ。なにを話しているか気になるな。なんとか聞くことはできないかな」
マルぼん「『ヘルズ・イヤホン』。このイヤホンを付けると、地獄耳になり、人様の秘密の会話なんかも聞き取ることができるんさ」
ヒロシ「おう。そいつはナイスな機密道具。さっそく装着して」
マルぼん「ああ、残念。話が終わったらしく、2人組は離れてしまったよ」
ヒロシ「聞こえた!」
マルぼん「はい?」
ヒロシ「ほら、2人組がいたところから10mくらいさきのところ。ルナちゃんと金歯がなんか話しているだろ。それが聞こえた。やつら、やつら僕の悪口を言っているんだ」
マルぼん「そうかなぁ。なんか普通に話しているだけに見えるけど。『ヘルズ・イヤホン』では、あんな遠くの会話は聞き取れないよ」
ヒロシ「僕は地獄耳になったんだぞ。間違えなく聞こえたの! あ!」
マルぼん「どうした」
ヒロシ「あそこの公衆電話を使っている男、僕の悪口を家族に伝えているぞ。僕の地獄耳がたしかに聞き取った」
マルぼん「おい」
ヒロシ「あの女も、その男も、みんな僕の悪口を言っている。『なにあのきもい小学生』『なにあのきもい生き物』とか言っているに違いない。心にはそう聞こえたんだ。わかる、わかるぞ! 子犬も笑ってる。お日様も笑っている。僕を見て笑っている! あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ。おのれ人間どもめー。おのれ人間どもめーあひゃひゃひゃひゃ。マルぼんありがとう、地獄耳になれたおかげで、人間の醜さがわかったよ」
マルぼん「それ、地獄耳じゃなくて被害妄想な」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます