第5話 パーティー結成?
次の昼、お酒を飲んで二日酔いのせいで機嫌悪そうに隣を歩くルーティを連れ、クダンは冒険者ギルドに来ていた。
理由として、早くパーティーを作り、ダンジョンに潜るためだ。
強者やらコネクションがある奴はそうそうにダンジョンに潜ってしまっているから、ただでさえダンジョン探索は時間を掛けなきゃ厳しいのに、定員が五十人なので、早くしないと不合格になりかねない。
「すいませーん、パーティーを組んでくれる人を探していぶっっ!!」
クダンが喋っていたら、突然、カウンターに人が突っ込んで来て、クダンはそれの下敷きになった。
「この野郎、いてえじゃねえか。クソマスター、だから俺はカンニングなんてやってねえって言ってんだろうが」
「嘘をつくな、 大体トルファンお前 いつもそうやってギルドに迷惑掛けてきただろ。掃除はしねぇ、揉め事は起こす、ルールも守れねぇ、そして、馬鹿という最大の欠点があるお前のことだ。どうせ、勉強もせずに、楽をしたんだろ」
「俺は・・・・・っ・・・・・・・くそ、・・・・・・はっ、こんなギルドなんか潰れちまえ!」
トルファンと呼ばれていた男が俺には目もくれず、ギルドから出ていき、しばらく沈黙が流れた。
そして、おもむろに言い争っていた強面の男がカウンターで倒れている俺に気付き、手を貸してくれた。
「さっきは悪かったな、巻き込んで、俺はクラウト・ダウント、ここのギルド
「私の名前はクダン、そこで吐きそうにしてるのがパーティーメンバーのルーティです。今日はパーティーを組んでくれる人を探してここに来たんですけど」
「すまんが、うちのギルドにパーティー組む奴はいないだろう、他のギルドもだ」
「そうですか・・・・・・・」
「だが、お前達と同じような奴に心当たりがある。ついてこい」
そう言って、クラウトはクダン達を奥の席に案内した。そこには、二人の男女がいた。一人は灰色の髪を後ろで結び、皮製の鎧をきたキレイな女の子で、ルーティみたいな美人系ではなく、まだ幼さが残っているカワイイ顔立ちだ。もう一人は全身フードの男で、背中には俺より大きな大剣をぶら下げ、口も布で覆っている寡黙そうな男だった。
「クレア、クレイお前達とパーティーを組んでくれそうな奴を連れて来たぞ」
そう言って、二人は俺達に視線を向け、口を開いた。
「私の名前はクレア・ベイネット。騎士志望です。家の手伝いでポーションなど作っていたので、薬の知識と簡単な治療なら出来ます。よろしくお願いします」
「オレ・・・・・クレイ、・・・・・キシシボウ、・・・ケン、・・・・・ツチマホウ、トクイ、・・・・・ヨロシ、ク、オネガイイタシマス?」
色々気になることはあるが、二人に自己紹介されたので、こちらも自己紹介しなくては、
「俺の名前はクダン、同じく騎士志望だ。人を救うヒーローになる男だ。特技は気配を消すことと不意打ちが得意だ・・・・・・・・・ほら、お前もさっきからグロッキーになってないでなんか喋れろよ」
「・・・・・・キモヂワルイ」
「おいっ、ここで吐こうとするな。俺はヒーローだが、さすがに二日酔いは治せない」
「あの・・・・・」
その時、クレアが恐る恐るといった感じで、俺に言った。
「私、酔い止めの薬、持ってるんで良かったら使って下さい」
俺はクレアに礼をいい、ルーティに強引に飲ませたら、みるみる元気になった。まったくクレア様々だな。
「ありがとークレア無様な姿を晒したわね、あたしの名前はルーティ。特技としては罠感知や解錠など使うトレジャーハンターね」
「じゃあ、俺はこれで」
そう言って、クラウトは部屋を出て言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
気まずい、誰も喋ろうとしない。クレアは目を合わせようとしないし、クレイはさっきの会話を聞いた辺りこの国の人じゃないし、しょうがない、ここはヒーローの俺が場を盛り上げるか・・・・・・。そう思い、重い口を開けようとしたら、
「ねぇ、一つ聞いていい?この中にダンジョンでモンスターと戦ったことがある人っている?」
急にルーティがそうなことを言った。
「俺はモンスターと戦った経験はある、だが、ダンジョン内はない」
「オレ・・・・・・オナジ」
「私は、対人戦闘はありますが、モンスターとは、戦った経験はありません」
「あたしはダンジョンには潜ったことはある、けど、モンスターと戦った経験はほとんどないわ」
「つまり、何が言いたいんだ?」
「このパーティーに本格的にダンジョン内のモンスターと戦った経験のある人がいないと言うことよ」
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