魔女

ぼくの村の近くの森の奥の奥に魔女がいる

晴れている日でも森の中は薄暗くて

村人は誰も森に入らない


村のみんなは魔女を嫌っている

魔女が村に災いを持ってくると言っている


でもぼくは知ってる


魔女が来るのは村人を助けるため

魔女が災いを持ってくるんじゃない

災いが来たから魔女が来るのだ


大人が言うほど怖くないし

大人が言うより優しい

魔女は会うといつもぼくに微笑みかけてくれる

金色の髪と青い瞳の魔女は村の誰とも違って美しかった


ぼくは知らない


村人に嫌われているのに

なぜ魔女は村のみんなを助けてくれるのか


ぼくは知りたい


魔女の心を


ぼくは知りたい


微笑む以外の魔女の笑顔を

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る