第381話 濁りなきこころの話
このごろ、お友達の作品がものすごいという話。
前々から「泣かせてくれる」とは思ってた。
けれど、どうしてかは考えなかった。
理由は、自分の涙に疑問をさしはさむ気がしなかったから。
なぜ泣くんだろう? 感動したからだ。
心が動くのだから、それはしかたない。
当然だと思ってた。
しかし、お友達と話していると違うのだ。
「ここはこれこれこういう理由で」「こうこう、こう考えて」計算で、作り上げたのだという。
もうね、ものすっごい神経をゆきわたらせてるんだよね。
そりゃ泣くよね。
理由の一端が見え始めたので、わたくしは我にかえって思う。
悔しい、と。
一方的に泣かされて、それを受け入れている自分が女々しく感じる。
戦わねば。
わたくしはこの感情と、折り合い付けてなあなあにしてはいられない。
なんとしても、雄々しく立ち上がってたたきのめす。
わたくしがわたくしであるために。
苦しむのをやめたときに、死はやってくる。
それを認めてはならない。
生きるために。
8
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます