第170話 2020/01/31/金 原点に戻る。

  あ、うん。

 もともと文字書きは得意でない。

 だから、ぬりえからまた始めました。


 ぬりえはね、ちっちゃいころに初めて挑んだ困難なんですよ。

 でも、克服する方法を教わったし、それでちゃんと達成感もあった。

 なので、原点に還るならばここであろうと。


 すみません、むちゃくちゃ迷走してますね。

 でも、大人のぬりえってあるじゃないですか。

 それをコピーして、塗り方を180度変えた花と妖精の図柄をね、こう、ぬりぬりと。


 熱中しました。

 なんか、すごくいい。

 こっちの一枚はこうぬった、じゃああっちの一枚はこうぬろう、とか。


 で、鉄線の花(クレマチス・仙人花)なんですけども。

 実物を知らぬでぬるのは最初、抵抗があった。

 それなので、ググりました。


 たいへん便利。

 じゃなくってありがたい機能ですね。

 検索機能。


 で、一回目は紫の色鉛筆で三段グラデーションで力を入れてぬった。

 なかなかいい出来。

 でも、物足りない。


 もう一回は、濃淡を逆にして(鉄線の花はそういうことがごくごく普通にある花)こんどは四段階グラデーションをかけた。

 こっちは完璧よ!


 ああ、でも。

 花の花芯の方が濃いほうが清廉ですがすがしくて、清潔なイメージ。

 花びらの先の方が濃いほうは、(四段階グラデ)パーフェクトすぎる。


 まあ、あくまでも趣味のぬりえとしてはそんな感触だった。

 したぬりしているときに、誰かの声が「なんだよ、へったくそ!」っていうので、油絵の下絵を描いているときに、父に罵倒されたのを思い出した。

 したぬりは、あくまでも絵に厚みを出すための、下絵だ! 「なにくそ」とむきになって、ごしごしストロークした。


 まあね。

 出来上がってみれば、三段階と四段階では差は明確。

 母も祖母も、「こちらが派手」「こちらがはっきりしている」と高評価! ぐっ!


 しかし、母と祖母の好みで仕上げてみた四段階は、悪趣味じゃないかと思うほど補色のオンパレード。

 三段階の方は、花が白っぽいから背景を水色にしたら、清楚、可憐、つつましくハーモニーが聴こえる。

 着物の柄だったら、こちらの方が上品に違いないと思う。


 四段階の方は、背景を暖色のオレンジにしたので、紫と戦ってる気がする。

 まあ、絢爛豪華、といえなくもない。

 葉や茎を染め抜かず、模様のように線を濃い緑でなぞったので、緩和してくれてもいる。



 絵を描くと、こういう計算にならない計算を、わたくしはしでかすのだった。

 色彩感覚は生まれついてのものだという。

 わたくしは長いことコンプレックスだったが、色について基礎を学んだのでだいぶ自信がついてきている。


 明らかに、四段グラデの方は、力の入れすぎだ。

 かといって、三段グラデの方は、ありきたりな表現に見える。

 もうちょっと背景色をピンクにするなど、工夫してみてもよいかもしれない。


 まあ、確かに、「なにくそ」と頑張った四段グラデの方が、評価されてうれしいことではあるけれど、力を抜いたほうがいいこともあるさ。

 と、ここは締めます。

 ここまでお読みいただき、ありがとうございます!






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