地上


目を開けるとそこに立っていたのは人の形をした獣、獣神ロナウド。



「やぁ、久しぶりだね神夜。そしてベヒモスお疲れ様」

『はい、ロナウド様』

「もう君は帰っていいよ」



ロナウド様の言葉を聞きベヒモスは体を光らせた。

そして光がおさまるとそこには誰もいなかった。



「ここは神界ですか?」

「そうだ、そして君を呼んだのは私だ。その理由はわかるかい?」

「‥‥‥恐らくは、あの卵」

「そう、あの卵は神龍と神獣の卵なんだ。そしてあの子達を君に育ててほしい」

「神龍と神獣をですか?」



俺は驚いた、神龍は龍神様に、神獣は獣神様に一番近い生き物と言われている。


しかし何故あんな所にその卵が、そして何故俺が育てるんだ。



「君は今、何故卵が置かれ自分が育てるかを考えているね」

「はい」

「その理由は元々あそこには大人の神龍と神獣が住んでいたんだ。だけど約300年前に死んじゃってね。もし誰か悪い人間に卵を持ってかれるなら知り合いの君に持って行ってほしいと思ったんだ」

「そうなんですか」

「頼んだよ」

「えー、面倒臭いから嫌なんですが」



俺がそう口にした瞬間、ゾゾゾッと寒気がした。見てみるとロナウド様が真顔でこちらを見ていた。



「頼んだよ」



やめて!その真顔での圧力やめて!


俺はそう思うが願いは届かず。



「はい」



了承してしまった。



「それにしても、もうそろそろ髪の毛切ってもいいんじゃない?良ければ僕が切ってあげようか、これでも毛並みは自分で整えているんだ」

「そうですね、じゃあお言葉に甘えて」

「わかった!」



こうして俺はロナウド様に髪を切られた。



数分後。



「これで完成!」



俺はロナウド様に鏡で見せてもらった。



「やっぱり君は少し前髪を残した方がかっこいいよ」

「そうなんですかね」

「あっ、あと|古の王国(アトランティス)の中に従魔専用の部屋を作っておいたから『出てこい』って言うと出てくるし『戻れ』って言ったら戻るよ」

「マジっすか!それはありがたいですね」

「うん!用事も終わったし地上に返すよ」



ロナウド様が言うとまた俺の視界は光に包まれた。



「あー、やっと戻ってこれた」



目を開ければそこは、神殿の中。


そして俺は頼まれた卵ふたつを|無限収納(インベントリ)の中に入れた。


そして神殿から出たら目の前に魔法陣が光っていた。


これはダンジョンが攻略されたと言う証拠でここに乗るとダンジョンから出られるのだ。


俺は魔法陣に乗りダンジョンから消えた。



「ふ〜、地上に帰ってきた」



俺がいる場所はダンジョンの入口だった。そしてもう太陽は沈んでおり夜になっていたので門番役の騎士はいなかった。



「よし、まずはこの卵たちを見ないとな」



俺は|無限収納(インベントリ)から預かった2つの卵をとり出した。



【鑑定】




【アイテム名】神竜の卵


孵化させる方法、卵に『神気』を一定の量を与えれば孵化する。



【アイテム名】神獣の卵


孵化させる方法、卵に『神気』を一定の量を与えれば孵化する。




ほう、卵はアイテムと認識されるのか。


俺は卵を再び|無限収納(インベントリ)の中に入れ、少し進んだ森の中で自然魔法を使い木で小屋を作りそこで一夜を過ごした。



「キャンキャン」

「キュルルルルル」



朝、動物の鳴き声が聴こえたので目を覚ますと俺の体の上に二匹の生き物がいた。



【鑑定】



【名前】Noname

【レベル】1

【HP】357

【MP】269

【攻撃力】364

【魔攻力】254

【防御力】290

【魔防力】246

【俊敏力】239


スキル

飛翔 ブレス


魔法

火魔法Lv1 風魔法Lv1 光魔法Lv1



【名前】Noname

【レベル】1

【HP】327

【MP】206

【攻撃力】246

【魔攻力】287

【防御力】265

【魔防力】270

【俊敏力】369


スキル

噛み付く 気配察知(小)


魔法

水魔法Lv1 雷魔法Lv1



一匹は真っ白な鱗をしてで体長30cm位の小さい竜で、一匹は銀色の毛色をしたこちらも体長2m位のフェンリルだった。

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