第2話01話 これが噂の異世界転生ってやつですか?

 

ふと目を開くと、そこは知らない部屋だった。

起き上がろうと身体に力を入れても全く起き上がれない。


俺は刺されて死んだ筈だけど……ここは病院か?

それにしては……どっちかって言うとボロいアパートの部屋みたいだな。


あの傷は間違いなく、致命傷だった筈だ。

不思議に思い、ふと自分の手のひらを見るとかなり小さかった。


……あれ?


ペタペタと身体中を触る。


……………………。


ペタペタと身体中を触る。


……どうやら、身体が赤ん坊のようになってしまったらしい。


俺はあの時確かに死んだ。

ならば、これは転生と言ったところだろうか?


考えているとドアが開き、人が入ってきた。


「★☆●●▲▲△◎◇◆□■◇●★」


若い女性が俺に何か話しかけてきた。

何語だ?

全く分からない。

俺は世界のあらゆる言語を網羅したはずなのに。

いや、それよりもこの女性の容姿だ。


俺はその女性をまじまじと観察した。


美しい腰まで伸びた藍色の髪に血のように赤い瞳、容姿は凄まじく整っている。

しかも瞳や髪は、カラコンや鬘ではなさそうだ。

俺の生きていた世界で、天然でこの色を持つ奴を俺は見たことがない。


まさか……?


その女性は俺に近づき、俺の身体を抱き上げる。

ふと、鏡が眼に入る。

鏡の中で女性に抱き上げられた白銀の髪に右眼は血のように赤い真紅の瞳と左眼が光輝く黄金の瞳の中二病チックなオッドアイを持つ赤ん坊と眼が合った。


……すなわち、俺である。







──どうやら俺が、転生したのは異世界らしい。

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