桜は知っている
悲しみに潰されてあふれる涙は
はらはらと舞う桜のよう
儚く落ちゆく切なさよ
枯れるまで消えぬ惨たらしさ
悲しみに
言葉をかけて迎え入れられるほど
心は強くなくて
けれど拒否するからこそ
受け入れがたくて
どうしたら、強くなれるの?
力強い桜の幹を眺めては
ひとつの問いを何度も何度も投げかけている
桜は なにも答えてはくれない
桜は 言葉を話せないのだから当たり前なのに
当たり前なのに
散りゆく花びらは
一枚一枚どこかやさしげで
なぜか慰められているような気がして
まだ咲き誇っている桜の花を見上げる
桜は知っている
咲けば 散ることを
桜は知っている
来年もまた花を咲かせることを
そう思えば なんて単純で
そう思えば なんて簡単なことだったのか
ありがとう
ありがとう
今だけを見ていたから
こんなにも辛かった
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