第25話 どれにしようかな 天の神様の言う通り
郵便受けの赤い封筒に、僕はげんなりして一度戸を閉めた。一息つき、諦めてまた開く。
封筒にはご丁寧に「重要なお知らせ」と書かれているが、言われなくても知っている。たぶんどの神様も同じだろう。封を破り一枚の紙を出す。
――貴殿は来月、「神様の言う通り」当番となりました。つきましては下記の期間中に下界と交信を保つようよろしくお願い申し上げます。
どのお菓子を食べよう、今日の靴はどれにしよう、お茶にしようか珈琲にしようか。人は小さな選択をすぐ神様に委ねる。その神様が当番制で、通常業務に加えサービスでやっていると知ったら、もう少しなのなのなは減るだろうか。
ため息をもう一つ、僕は覚悟する。来月は残業だ。
スペース抜き296字
Twitter300字ss企画 第六十九回 お題「選ぶ」
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