夢の終わり

1、

何度も何度も空に手を伸ばした


君に手を引かれることを

夢見ながら落ちていく右手


何度も何度も自分に言い聞かせた


君が私のことなんか

もう何も覚えてないってこと


心の奥がひび割れていくような痛み


何度思い知ればいいのだろう


ただ君に伝えたかっただけなのに


ただ側にいたかっただけなのに


いつか君と見た映画のラストのように

手を引かれる未来はきっと来ない


あの日と同じ道を歩きながら

全部諦めるって決めたはずなのに


消さなきゃいけない夢が

いつか届くこと信じてる


バカな私は今日もまた 夢をみている




2、

ある日、君の隣にいる夢を見た


それだけで幸せだった

それが全ての始まりだった


鏡の中の私はどこか悲しそう


なぜそんな目をしているの?

どうしたら全部諦められるの?


遠い背中を追いかけて歩き続けた


ただ返したかっただけなのかもしれない


手のひらの中の思い出

君から貰った優しさ全部


叶わなかった約束をあの子に託し

代わりに叶えてもらおうとした


伝えたかった想いを消すために

一つずつ一つずつ思い出を集めて


暗号に秘めた想いは

このまま沈んでいくのかな


最後の場所にたどり着いた時


きっと来る 夢の終わり


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