130.命の源

本日初めて使い魔達をつれてルシアさんの家の前に来ている。


「ソラは俺達をリーネに預けてこんなところに来ていたんだな。」


「ブヒブヒ」(主も雄だから仕方ない)


(???)


ジンとパッシーの反応は予想できてましたよ。


「何をしようと俺の勝手だろ。」


そして俺の癒しポックルは純真なのままで居てくれ。


俺は訪問を知らせるために扉をノックした。


扉が開くとルシアさんが出てきた。


「お久しぶりです。ソラ様。」


「お久しぶりです。ルシアさん。こっちは俺の使い魔パッシー、ジン、ポックルです。」


使い魔をルシアさんに名前だけ軽く紹介をしておく。


「今日は古代の迷宮で見つけた依頼の品であるエンシェントエルフの指輪をお持ちしました。」


なぜか依頼したルシアさんに驚きの表情が表れた。


「こんなに早く依頼を達成されるとはさすがソラ様です。外お話することでも無いので中へお入りください。」


そんなに早かったかな?


迷宮攻略自体は早かったとは思うけど依頼されてからはそれなりに時間がかかったはずだけど。


ちょと疑問を持ちつつルシアさんのお誘いに従って俺達は《運命の導き亭》にお邪魔した。


今回は二階に上がらずに一階の部屋でルシアさんの正面に俺と使い魔達が座っている。


ルシアさんが入れてくれた美味しいお茶頂いて一息つく。


(アルジ、オイシイ)


ポックルも気に入ってるようだ。


ルシアさんが良ければポックルを連れてまた飲みに来たいな。


「こちらがエンシェントエルフの指輪です。」


一息ついたところでアイテムボックスからエンシェントエルフの指輪をルシアさんに手渡した。


***********

やる気ポイントを50獲得した。

***********


ダメだ。


ルシアさんはやっぱり美の化身だな。


手が触れただけなのに・・・・。


「間違いなくこれはエンシェントエルフの指輪です。やはりソラ様が世界樹の管理人たる方なのですね?」


そう言ってルシアさんがキラキラした目で俺を見つめてくる。


俺はそんな尊敬の眼差しを受けるような人間じゃないですよ。


ただちょっと美人が好きなだけの平凡な男ですよ。


それになんですかその世界樹の管理人って。


ゲームやラノベで出てくるあのデッカイ木のこと?


「すみません。ルシアさん分からないことだらけですが世界樹とはなんですか?」


「世界樹とはこの世界の命の源です。」


命の源?


みんな世界樹から生まれたってこと?


「よく分からないのですが命の源とはどういうことですか?」


「そうですね。ご説明します。確認なのですがソラさんはそもそも生き物はどうなったときに死ぬと思いますか?」


「それは心臓が止まったときではないですか?」


「確かに心臓が止まればたいていの生物は死にます。しかし精霊や不死系の魔物は心臓を持っていませんので十分な答えではありません。」


そうかファンタジー生物も含めたこの世界にいるすべての生き物に共通するものがあるのか・・・。


ファンタジー生物のように元の世界に無かったもの・・・・魔力?


「もしかして魔力が関係しているのですか?」


「そうです。生き物は全ての魔力を失ったときに命を失うのです。」


そうなると心臓が止まると魔力がなくなるのか?


もしかしてこの正解では臓器を動かすのに魔力が必要なのか?


それで魔力を全身に送る役割を心臓が担っているのかも。


「でも魔力は命の源ではないですよね?」


俺が今まで感知してきた魔力は一つとして同じものはなかった。


もし魔力=命の源でそれを世界樹が作っているのなら魔力はすべて同じでないと変だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る