ミステリアスな男とバーテンダーの対峙という導入に緊張感があり、興味を引かれました。しかし、冒頭の描写が丁寧に書かれている分、本題の話が唐突で男がどのような表情や口調で語っているのかが分かりづらく、読者として置いて行かれたような気持ちになってしまいました。男の罪がなんであったのかも曖昧で、主人公の選択がどうしてそこまで重大な意味を持つのか分からないままでした。男の正体を匂わせる何らかの伏線を用意したり、主人公の葛藤をもっと掘り下げることが出来れば、より設定を活かせるのではないでしょうか。