第6話 くノ一の里!
{此処は安心院忍軍の“くノ一”達の産まれ故郷の里である}
ほう!立派な里じゃ!みんな顔が生き生きとしておるの!
[我が妻の産まれ里でござる!]
「此処って、ハイエルフの里ではないの?」
[確か妻が、そんな事を言っておったような?]
「ハイエルフって森の精霊の亜種よ!」
それは、どう言うことじゃエリーカ?
「簡単に言えばね!私の種族を守ってる人達って事なの」
ハイエルフって種族は、エリーカを守ってるのか?
「私は此れでも、森の精霊の王の娘なのよ!」
お主は、姫様じゃったのか?たまげた!
『じゃじゃ馬なお姫様~!』
パシ!.....パシ!.....
『ツタで叩かないでよ!痛い....痛いよ.....』
エリーカよ!余り苛めるでないぞ!
「解ったわよ!」
[妻達“くノ一”は、近くの町で
全ての“くノ一”を里に呼び戻してる所です!]
そうじゃったか!ならば里で、全員が集まるまで休息をしようぞ!
『里に着いたら休めるの?やった~!』
[妻達が帰って来たら、エリーカ殿と妻達で話を聞かせてくだされ!]
「それもそうね!そうしましょうか!」
{ハイエルフの里に到着!}
【誰かと思ったら五郎丸殿ではないか!無事じゃったか?】
[長老殿!いえ義父様おひさしゅうござる!
六郎丸達も怪我無く無事に連れ戻せまたでござる!]
[六郎丸も無事なのじゃな!六郎丸は何処じゃ?顔が見たい!]
<六郎丸は此処です!お爺様!>
【良くぞ無事で戻ってきてくれた!もう二年になるかの.....良く帰った。】
..........
.............
................
五郎丸達は、奥方が帰って来るまで、そっと見守っておこう!
さっき程言っておったが、二年ぶりの再会だそうだ!
無粋なまねは駄目じゃな!家族で無事を喜んだ方が良いじゃろう!
あれはエリーカか?何だか里の者に囲まれておるの!安心院忍軍の
者達も里も者との再会を喜んでおるわい!
無事に助け出せて良かった.....拙者はそれだけで満足じゃ!
拙者がしたかった事とは、少し違う様な気はするが.....
元々、何をしたいかも忘れてる拙者には、どれも同じかも知れの!
まさか、こんな
するとは拙者も酔狂じゃわい!
でも旧知の仲である、五郎丸じゃったから仲間を助けるのは気分が
良くもある!これで知らない者ならば、見捨てていたかも知れぬな!
でも力無き者ならば、助けたやも知れぬ.....拙者は何を言っておるのだ?
知らぬ者ならば見捨てれば良いのじゃ!力無き者でさえもな!
それが生き残る事に繋がるのじゃから.....甘い事を言っておると
死んでしまうわ!
でも.....何じゃ.....心の中がモヤモヤした気持ちは.....弱気を助けろ
そう言っておるようじゃ!苦しい.....苦しい......
拙者は
それも戦国の世で戦ってきた、戦国武者ぞぉ!
甘えを見せれば、即、屍を晒す事になるだけじゃ.......なのに.....
弱気を助け強気を挫く善人にでもなれと言うておるのか?
あの白い洞窟であった者の仕業か?馬鹿な.....ありえんわ!
拙者が、あの様な軟弱な者にどうにか出来るはずがないわ!
ありえん!あってたまるか!拙者は.....弱くは無いのじゃ!
あの様な者の
なんじゃろう.....心が清らかになって行くような気持ちは.....
心地よいのに、拒否しないと行けないような.....そんな.....
感じがする!危険じゃ!甘い考えになっては危険なんじゃ!
父上もお爺様も皆、死んだのは心のが甘かったからじゃ!
拙者は違う!心を鬼にしても大友家を再興しなければならぬ!
大友家の再興!?それが拙者の本当の望みだったのか?
でも....それが本当に望みだったのか?解らぬ.....
我がお婆様は大友義鑑様の娘であったし.....我が家は元々は、
大友氏の庶家《しょけ》にあたる家柄なのである!
もしも拙者しか、この世界に大友家の血を引き継いだ者が
居なければ拙者が、大友家を継いでも、良いのではないか?
んっ!?もしかして拙者は、大名になりたかったのか?
下克上をした訳ではないが、大友氏で残ったのは拙者1人だけ
ならば、拙者が大友氏を継いでも、誰からも文句は言われまい
あぁ~拙者は、これを望んでいたのか?此れが拙者のしたかった
事なのか?
解らぬ!解せぬ!こんな事で悩むのか?ま~良いわ!今考えるべき
事柄は、甘さを捨てないとならぬ事じゃからな!余計な雑念は捨て
ねばならぬ!此の事は、その内に考えるとしよう!
{統幸が目を見開いたまま、考え事をしていた為に周りに
居た者達は、統幸から距離を取って見守っていたのである!}
『旦那!旦那ってば~!統幸様?』
「駄目ね?どうしようか.....」
[幻術の類にでも、掛かっておるのですか?]
「考え事をしてるだけじゃないの?」
『旦那様~~~てぃ!』
統幸に向かって、ラウノが後ろ足で蹴り上げていた!宙に舞う統幸!
満足そうなウラノ!焦るエリーカ!ウラノに斬りかかろうとする者達!
「止め!止め!みんな止まりなさい!」
エリーカの静止で、ウラノに斬りかかろうとした者達が止まった!
そして、直ぐに怒られるウラノ!エリーカだけではなく、他の者も説教
に加わりだしていた!
いたたぁ~何じゃ行き成り!拙者が考え事をしておったのに!
邪魔しおってから、許さんぞ!誰の仕業じゃ?
皆の者がウラノを見ている!統幸は愛刀の猫丸をスラリと抜き去っていた!
今宵の猫丸は馬の血を所望じゃ!覚悟するが良いわ!きぇ~~~い!
カッキ~~ン!
ウラノは前足で器用に、真剣白刃取りをしていたのである!
お主!その技を何処で習った?
『誰からも習ってないよ!
お主の見事な技に免じて、今日は許そうぞ!
『ボクって馬だから、何しても許されると思うんだ?』
次にしたら、また斬るからの!
『ん~~気をつけます!』
{ウラノが馬鹿をしていると、里の女子衆の“くノ一”が帰ってきたのである}
[ジゼル!六郎丸を無事に助け出したぞ!]
〈アナタ!どれは本当なのね!?それで六郎丸は何処にいるの?〉
<母上!六郎丸は此処にいます!>
〈あぁ~~六郎丸!.....アナタ邪魔よ!バン!〉
<母上!>
〈六郎丸~!〉
{感動の再会であったが.....五郎丸が邪魔だと押しのけて息子の側に
ジゼルは行ったのである.....亭主は辛い!}
〈主人から話は聞きました。統幸様の助力がなければ、六郎丸達は未だに
捕まったままでした。それを助けて頂いて、ありがとうございます。〉
五郎丸が山賊に身を落としてると、此処に居るウラノから聞いてな、あの五郎丸
が山賊に身を
それで調べてみたら、息子が囚われてるが解ったのじゃ!旧知の間柄でもある
五郎丸だからの、助けない訳には行かんじゃろうて!
〈旧知の仲ってだけで危険な事をしてまで、助けてくれる人が何人いましょうか? 統幸様は、ご立派なお方です!是非とも妾の姪っ子など嫁に如何でしょうか?〉
[ジゼル!それは失礼であろう!]
〈アナタは黙っていて!此れはハイエルフ族の問題よ!〉
[某達も関係あるのだが......]
まぁ~まぁ~奥方よ!落ち着きなされ!拙者にはエリーカと言う者が居るのじゃ!
「えっ!?何でそうなった?」
『その立ち位置だと.....ボクはペットの馬って事かな?』
〈エリーカ様って森の精霊のエリーカ姫様ですか?〉
そうじゃな!そのエリーカじゃ!すまんが姪っ子は貰えないぞ!
「ジゼルよ!私がエリーカ姫である!」
≪はっはぁぁぁぁぁ~!≫
{ハイエルフが全員、土下座している!}
後で五郎丸に聞いた話では、エリーカの事は森の精霊としか伝えてなかったとか!
五郎丸は、うっかり者じゃからの!はっはははははは!
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