第13話

土曜日の9時


亜矢美と待ち合わせのロータリーに行くと、亜矢美はもうベンチに座っていた。幼馴染みには、デートの途中に写真を撮って送ることになっている。

  

「ごめ~ん、待った?」


集合の10分前だが、一応聞く。


「いや、全然待ってないです!」


亜矢美は、何故か偽造デートなのにとても気合いが入っている。

服も、何て言えば分からないが、うん、おしゃれだ。


「んで、何処行くのです?」

亜矢美は最初に聞いてきた。そんなこと予測済みだから、慌てずに答える。

「海遊館とか?ありふれてる?」


さっき、咲希に考えさせたプランを言う。

すると、亜矢美は元気良く頷いた。




「じゃあ、ルートは考えたから近鉄高田行こか。」


そうして、俺の初デートが幕を開けた。

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