『名残り』を入れて【嬉しい】

「冷たい事はずっと嫌だったの、寒さは孤独よ。

 私はずっと戦ってきた。苦しみが雪のように積もってた。

 だけどね、あなたに会えて私、溶けちゃったの。

 今は春よ、本当に毎日が楽しいの」


「君は時折、悲しい顔するんだ」

「私の名残り雪よ」

 不器用に微笑む君の雪解け水が、僕の肩で溶けた。

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