六、秋

 秋は早朝がいい。山の上から見る景色はいとをかし。



 秋になり、朝晩と昼間の温度差が大きく夜間の放射冷却が起こると綺麗な雲海が見られる様になります。


 雲海と言えば、この辺では兵庫県の朝来市(京都から約120km)は竹田城跡付近が有名ですが、何もそこまで行かなくても京都市の近郊で素晴らしい雲海が見られる所があります。今日はそこへ行ってみましょう。

 ただ朝が早いのと少し寒いですから体調をしっかり整えておきましょう。ライダースジャケットを着込んで、使い捨てカイロも持って行きましょうか。


 日の出が6時前なので、集合時間はなんと朝の4時半。朝日が差してくる雲海の景色を満喫したいので文句は言わないこと。ちゃんと出勤・通学前には戻ってこれますからね。


 集合場所は、白川通りと丸太町通りの交差点にある喫茶店(京都市左京区)です。ガソリンスタンドに併設されてますので、給油も出来ますね。しかもこの喫茶店は24時間営業です。未明の時間帯でもそこそこ客は居ます。

 昔は、街の小さな喫茶店でも24時間で営業してた所もありましたが、最近はめっきり少なくなって残念です。

 集合時間までに早目に来て、コーヒーと軽食で頭と身体を起こしておきましょう。安全運転の為です。


 さて、今回乗るバイクですがめっちゃ半径の小さな登りのコーナーを結構走りますので、ちょっと古いですがホンダのRVF(NC35)を出してきましょうか。トルクも申し分なく、倒立フォークに前後17インチタイヤで操縦性も期待できそうです。できればこの後継機種を製造・販売して欲しいものです。ねっ、ホンダさん!


 それでは出発です。

 まずは丸太町通りを西へ走ります。鴨川の手前を左折して川端通りを南下です。四条川端の交差点には、水商売の方々ですかね。黒服のイケメン兄ちゃんや着飾ったお姉さん達が帰り道を急いでます。お疲れ様です。


 川端五条の交差点(京都市東山区)まで来たら右折です。五条大橋を渡り、五条通り(国道1号線・京都市下京区)を西へ西へ。まだ車も少なく快適に走れますね。

 堀川通りを過ぎるとここから国道9号線。どんどん西へ進みます。

 千本通り付近では、朝早いのに結構トラックが出入りしてます。中央卸売市場はもう動き出してますね。


 西大路通りを越えると、イルミネーションで有名なローム本社前(京都市右京区)を通過です。もちろんイルミネーションは点灯してませんけどね。11月中旬からクリスマスまでの期間、夕方から22時まで間で点灯されてるそうです。


 阪急京都線の下を潜り、西京極総合運動公園を過ぎると西大橋を渡って桂川を越えます。そろそろ空も白くなってきました。北北西には一際高い愛宕山(924m)が薄っすらと見えます。


 阪急嵐山線の下(京都市西京区)を潜り、物集女もずめ街道の交差点を過ぎると緩い上り坂になります。市街地を抜け、どんどん進みます。


 このまま国道9号線(山陰道)を走って行くと、老ノ坂おいのさかトンネルを抜けて亀岡市に入ってしまいますが、それでは面白くありません。

 なので京都縦貫自動車道の沓掛くつかけICの手前、沓掛の交差点を左折して進みます。


 これから右手西方向に高く聳える小塩おしお山(642m)をぐるっと取り巻きながら亀岡市に向います。

 京都縦貫自動車道に並行した4車線道路(府道10号線)を突き当りのT字路まで進みます。

 そのT字路を左折し、細い道(府道141号線)を下ります。



 因みに、右に曲がり府道141号線を登っていくと、淳和じゅんな天皇陵や電波塔がある小塩山の山頂に行けました。「行けました」です。

 昔、電波塔管理の仕事をしてた友人から聞いて知ったのですが、山頂付近から見る京都の夜景は絶品でした。京都市内のあらゆる夜景を見てきましたが、ここが1番ではないでしょうか。


 当時はそこへ来る人は殆ど居らず、コッヘルや携帯コンロを持って行ってコーヒーを点てたり、ラーメンを食べたりして空が白くなるまで眺めてた事もありました。もちろん、当時付き合ってた彼女を乗せて一緒に行ったこともあります。あはは……。


 それがいろんな人々に知れ渡っていったんでしょう、久しぶりに行ってみると、登り下りの離合が困難な車で渋滞が起こってしまう程の盛況ぶりでした。それと共に不法投棄されたゴミも増えてきてました。トラブルや事故でも起こったんでしょうか、数年後には「一般車両進入禁止」になってしまい、今は行くことが出来ません。本当に残念です。

 有料でもいいから、もう一度あの夜景を見てみたいもんです。



 さて、T字路を左折し細い道を下ると、またT字路に突き当たります。正面に小さな祠があります。そこを右折して府道140号線を500m程進むと、左に曲がってしまいそうなT字路(京都市右京区大原野)に出ます。

 「光明寺長岡道」の道標があるのですが、判りにくいかも知れません。そのT字路の右方向の狭い道に入って行きます。


 そこから200m程で変則十字路にでます。ここにも道標がありますが、そのまま細い道を直進です。


 少し下って小さな川を越えるとまたT字路に出ますから左折して下さい。京都縦貫自動車道の下を潜り、側道の十字路も直進です。一時停止を忘れずに。


 竹林の中の細い道を抜けて住宅地(京都市西京区大原野石作町)に入ります。お寺や古い民家の間を通る狭い道(府道733号線)に合流します。民家の間をぬってどんどん登って行きます。


 2つ目の橋がある「坂本」と言う所の道標に「大原野森林公園→」とか「金蔵寺→」と書いてありますから、矢印に従い右に曲がって橋を渡ります。


 ここからがヘアピンカーブの連続でしかも結構きつい登りです。コーナーは低いギヤで入り、立ち上がりはしっかりアクセルを開けましょう。この区間は3kmで300mも標高を上げて行く上に、道も狭く両端には落ち葉や落石・崩土などがありますので充分注意して下さい。


 急登を登ると「逢坂峠」と言う看板が左手に見えます。これを越えると緩い下りになりますが、道は相変わらず狭いし、水が流れてたり、枝が落ちてたり落石・崩土などがありますので慎重に走りましょう。

 大原野森林公園を越えると狭いコーナーが続きます。充分に注意して走って下さい。


 集落(京都市西京区大原野外畑とのはた町)を出て、右手に見える大きな関西電力西京都変電所を過ぎると、一旦大阪府高槻市に入ります。

 ゆったりとしたカーブを暫く走り、霊園横の小さな峠を右曲がりながら越えて少し行くとT字路に当ります。右折して府道6号線を走ります。樫田トンネルを抜けると下りになり、集落(大阪府高槻市大字杉生)を過ぎてから右に曲がると3差路があります。

 その3差路を「茨木」の方へ左折して下さい。ここから京都府亀岡市です。


 府道46号線を900m程走り、道路の左に「亀岡カントリークラブ→」の看板、右に「→亀山霊苑」の看板がある所を、右折して田んぼ沿いに走ります。

 山際と田んぼの間の道をどんどん進んで行きます。もう稲刈りが終わっていますから、籾殻等を燃やした煙が立ち込めてるかも知れませんね。視界に注意して走りましょう。


 集落(京都府亀岡市東別院町神原)を抜けて左に大きく曲がると、山の中へ入って行きます。狭いワインディングロードが続きますが、この時間帯は交通量も殆どありませんし、道も結構綺麗に整備されてるのでガンガン攻めて行って下さい。途中、誤って左の霊苑に入りそうになりますから気を付けましょう。


 そこからはゴルフ場のフェンスにそってワインディングロードを登って行きます。霊苑から1.8km程行くと、フェンスに囲まれた携帯電話の中継局のアンテナが2つ見えます。

 そこが今日の目的地です。道路の左側に砂利の駐車スペースがありますから、そこに駐車してエンジンを切りましょう。


 昔は何も無かったのですが、今は「かめおか霧のテラス」(標高約390m・京都府亀岡市下矢田町医王谷)と言う展望台が出来てるのでそこから景色を眺めましょう。


 どうですか? 凄い雲海でしょう。

 正面の行者山や右手の愛宕山。そして、それに連なる山の頂きが、雲海に浮かぶ島々の様に見えますね。


 雲の下には、桂川に国道9号線、京都縦貫自動車道が走っています。


 秋や初冬の朝方に亀岡市を通ると、いつも霧が多くて見通しが悪いなぁと思ってたのをヒントにこの場所を見つけました。


 朝日が登ってくると山の頂きが光で照らされ、また違った趣もありますね。

 寒さを我慢してここまでやって来たのですから、この絶景をじっくりと楽しんで下さい。


 充分に雲海を楽しんだら帰りましょう。

 帰りはそのまま道を進み、かなりの急カーブが続くダウンヒルを堪能しながら、一気に250m程下ります。

 京都縦貫自動車道を越える陸橋を渡ったら左折し、更に坂を下ります。

 下りきった所の重利の交差点を右折して国道423号線を進みす。次の加塚の交差点を右折して国道9号線に入り、後はひたすら京都市を目指して走ります。


 老ノ坂トンネルを抜けると京都市です。そのまま東へ国道9号線、国道1号線(五条通り)を走って五条大橋で鴨川を渡ったら左折して、川端通りを北上、丸太町通りを右折して、集合場所に戻ります。



 雲海堪能ツアー、如何だったでしょうか。

 ゆっくり走っても2時間位で帰って来れます。見に行く日は、寒暖の差が大きく、できれば快晴で殆ど風が無い日がお薦めです。

 もし朝早く目が覚めてしまったらな、是非、雲海を見に見に行っておくれやす。




※走行データ

 往路 38.8km

 復路 30.5km

 合計 69.3km


※注意

 平成30年9月15日現在、京都市西京区大原野石作町から京都市西京区大原野外畑町の間が通行止めになっています。迂回路はありませんので、通行止めが解除になるまでお待ちください。



【参考】

Googleマップ(往路データ)

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Googleマップ(復路データ)

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