別れるなら春の季節に

 別れるならきっと

 別れるならきっと

 あの若やいだ人混みの中で

 そっと桜の花びらが散っていくように

 そうやって別れることはできませんか


 悲しみも歓びも苦しさも楽しさも

 いつか向こう側で混じり合うはずだから

 何ものかを共有するあの若やいだ人混みの中で

 そっと桜の花びらが散っていくように

 そうやって別れることはできませんか


 梅も桜も分からぬあの子らと

 きっと呉越同舟

 同じ川を流れていくのが人生だから

 そして同じところに辿り着くのが人生だから

 同じ行き先を共有する私たちは

 それでもそっと桜の花びらが散っていくように

 そうやって別れることはできませんか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る