夢の話
天崎 瀬奈
プロローグ
プロローグ
あるところに小さな夢がありました。
だれが見たのかわからない、
それは本当に小さな夢でした。
小さな夢は思いました。
このまま消えていくのはいやだ。
どうすれば、人に僕を見てもらえるだろう。
小さな夢は考えて考えて、そしてついに思いつきました。
人間の夢を叶えて代償として魂を貰って
永遠と一緒に暮らせばいいのだと。
悲しげに笑った夢と名乗った少年はそっと本を閉じる。
少年少女は歩いた
夢を叶えるために
少年はあとを付いていく
夢を見させるために
人は案外気づかない
自分を大切にする人間がそばにいることに。
これはそれに気づかず夢を願った少年少女の話。
騒がしい廊下を睨んで1人イヤホンから流れる音楽を聴く。
彼奴が引いてるのを録音してそれを聞いているというのは俺だけが知ってる事実(多分)なのだけど多分萌華とヒロにはバレてんだろうな、なんてことを考えながら再び手元にあった数学の参考書に視線を落とす。
俺が多分唯一まともにやっている勉強なんて数学くらいだろう。
「拓也ーっっっ」
「fuck」
「」
恒例すぎる変態彼氏(郁弥)への態度は相変わらずで、
「お熱いですねぇもっとやれ」
「カメラの準備は出来てる」
「おいこらお前ら」
へらへら笑うヒロと萌華へのツッコミもいつも通りで、
何一つ変わらない日常、平凡な日常、
そう、その事件が起きるまでは。
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