第2話
結局私はその絵を購入しました。思っていたよりは安かったです。
部屋に戻って飾っては見たものの、やはり不気味です。
おまけにこの日は、当時付き合っていた舞子が私の部屋に来ることになっていたので、絵の上から布をかけて見えないようにしました。
そこに舞子がやって来ました。
「あれ、なんなの?」
絵はいくつかあったのに、一つだけ布で見えないようになっていたので、興味がわいたのでしょう。
人間は隠せば隠すほど見たくなる生き物ですから。
「気に入って購入したんだけど、不気味な絵だから舞子ちゃんに見せないようにしてるんだよ」
「ええっ、見せてよ」
「本当に不気味なんだよ」
「いいからいいから」
「しょうがないなあ」
絵の説明もし、本人の承諾も得たので私は布をとりました。
しかしその絵を見て、舞子は完全に固まってしまいました。
びっくりすることはある程度予想していましたが、その反応は私の想像をはるかに超えていました。
大きな目が自慢の舞子は、その目をさらに大きくしておどけることがあるのですが、それを何度も見た私でも今までに見たことがないほどに、その目が大きく見開かれていたのです。
「どうした?」
私が聞くと、舞子は弾かれたように飛びのきました。そして言いました。
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