第9章
第81話 グラディウス
大門都市 グラディウス
向かった先は、この世界に四つある大きな町の一つ。
この仮想世界にある町のいくつかには、この世界の要所に一瞬で転移できる転移台が設置されている。
町の四方にある大きな門が目を引くこの都市、グラディウスも転移台がある町の一つだ。
はるか大昔に巨人に攻め入られそうになったという
近くに質の良い鉱物が採取できる鉱山とかがあるから、その影響でもあるのだろう。
僕の使っている装備品のいくつかも、ここで手に入れた物だ。
何度も家から出るの面倒くさいし、ついでに装備品も見てこうかな。
そんな考えが頭の隅に浮かんできていると、聞きなれた声で話かけられあ。
「あ、ニルバっちと、シロナっちだ。やっほー久しぶり!」
「げっ、アリッサ」
「アリッサさん、お久しぶりです」
声の主の方へ向けば、やっぱりの人物がいた。
相手は情報屋のアリッサ。
水龍の事件以来、メールのやりとりはそれなりにするようになったけど、実際に会うのは彼女の言う通り久しぶりだった。
「二人で歩いてるなんて。珍しいね、んー、デート? おんやぁ、これはデートかなー?」
「ふざけんな、違う」
「で、デートだなんてそんな」
そうやって茶化されるのすっごくイラっとするし、僕耐性低い方だからやめてほしんだよね。
シロナも過剰に反応しない。
こういう手合いにつきあうと、からかわれるだけだよ?
ニヤニヤ笑いをするアリッサがうっとおしいから無視したくなったけど、今は連れが要るから会話イベントの発生が強制だ。
「アリッサさんはどうしてこちらに?」
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