第14話一年遅れのお祝いをしょう!

アリサとライラさんがきて、一緒に特訓するようになってから二週間が経った。


俺は相変わらずこの二週間走っていたが、今日、ついに、ついに!


完走することができました!


やったーパフパフ


「あんなのろのろと走って完走してもね?ていうか最後は歩いてたような気がするんだけど…」


そう言うヨメナに俺は振り向いて笑いながら睨んであげる。


「! まっ、まあしっかりシアは約束を守ってくれたから明日から武器を使って練習して良いわよ?私も約束は守らないとね!」


俺は心の中でガッツポーズをする。


「と言いたいけど、明日は練習をおやすみにします。」


「ええー」


「だってシア一周間毎日やれる体力ないでしょう?いままでだって何回もそのせいで熱で倒れ込んでたじゃない。もうシアが倒れてしまうのは見たくないわ。ね、お願い」


「うー、はーい」


俺はいやいや返事をする。

まあ確かに無理をしてしまうのは良くないだろう。

心配もかけてしまうし、ヨメナの精神を削ってしまう。

ヨメナは、俺が目を覚ました時はとてつもなくやすれていたが、今ではほぼ元どおりに戻っている。

俺もあんなヨメナは見たくない。

だから俺は返事をした。


「あとね、もう一つ明日休みにした理由があるの」


「なに?」


「明日は一年前にドラゴンが街に来て襲われたじゃない?本当は街の復興が完璧に終わったらすぐやるつもりだったんだけど、多くの人がシアが起きてからやりたいって申し出てくれたの、街を救ったのはシアだから街のみんなはすぐに納得してくれたの。でシアが起きたじゃない?もう筋肉を鍛えて足も通常通り動かせるようになったからシアも呼んで広場でパーティーをしようって」


俺もパーティーをするのは好きだ。

美味しいごはんは出てくるし、なんといってもみんなで飲むお酒が…てか俺子どもだし飲めないじゃん!


まあいい、オレンジジュースをたくさんがぶ飲みしてやる!


「その中でシアにお願いがあるんだけど、いいかな?」


「どうしたの?」


「あのね、明日のパーティーはシアが一番の主役だから、始まる前に一言広場の舞台で喋ってほしいなって」


「えっ?それはちょっと…」


「明日言うことを聞いてくれたら屋台の食べ物ただにしてあげるって」


「わかった、やる!」


あ、しまった、食べ物につられてしまった…

食べ物恐ろしや。

今頃断ることなんてできない。


「は〜、しょうがない、やるか」


俺はヨメナに聞こえないぐらいの声で言う。


「あと一言喋ったあと一年前白い光のやつ、そう奇跡の光をやってほしいの!」


奇跡の光?なんだろう?あの右眼の光魔法使った時のかな?


「奇跡の光ですか?私もぜひ見せていただきたい」


「なになに?わたしも見てみたい!」


オシエを治した光のことか、うんなんか奇跡の光とか恥ずかしい名前が付いてたなんて…


「じゃあシア、倒れない程度にやって見せてくれないかしら?」


俺は頷く。

確かに俺もあの時すぐ倒れてしまったから詳しく見ていない。

そして自分もみてみたいし、あと魔法の練習にもなるし。


俺はあの時の感触を思い出す。

いつもは目にただ自動的に魔力流れていたし、それだけで光魔法は事足りていた。

俺はその右眼に流れている魔力をいつも以上に流す。

そうして右眼から無理して倒れないように魔力量調節して放出した。


すると、あたりが光に包まれる。

俺以外のみんなも驚いているが、俺が一番驚いてしまった。

なんと俺の背中には白い羽が生え、髪の毛は虹色に輝いていた。

どこからかこの光に気づいたのか、オシエとセレスもやってくる。


今のシトレアは、この世のものとは思えないほど美しかった。


そして俺は、右眼の魔力を放出するのをやめた。


「きれいだったね!」


「美しい…」


「これが噂の奇跡の光…」


さまざまな感想を述べる。


そして俺たちはその時の余韻に浸りながら、各々の、自分たちの家に戻っていった。


お風呂の時に俺の髪の毛が結構伸びていた。

ああ〜、頭が重い、男だった時を思い出す…


そんな様な出来事があって俺は眠りについていった。




そしてパーティー当日

まさかこれのせいで騒ぎが起きるなんて…

この時の俺たちがそんなことを知る余地もなかった。

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