あなたのため笑いたい
世界は残酷ですか?
今日も僕は世界に対して悲観的になっている。
とは言えども、僕もなるべくなら幸せでいたいものだ。
最近は疑心暗鬼も弱くはなってきたが、やはり心の奥底に根付いてしまっているものではある。
これは夢の話ではあるのだけれど、そうそれは夢十夜くらいにはとっぴな夢なのではあるのだが。
炎とも言えないくらい、黒に近い炎が、地面を覆い尽くしていて、僕はその道を歩かなければいけなかった。
何のために生きているのか。
何のためにこうも苦しむのか。
こうも望み通りにいかないのか。
しかし、僕の肉体が
夢から覚めた。
僕は泣いていた。
意味がわからなかった。
あなたのために。
誰のために。
無理をして、無理をできて。
空は青色だ。地面は今も普通にある。
あれは夢だったのだと再認識する。
だけどどこかリアリティのある夢だった。
くすくす。
笑い声が、教室の端から聞こえてきた。
おかしい、僕はもうとっくに、この場所からは離れているはずなのに。
同じ場面が何度も現れる、僕は成長できていないのだ。
あなたのため笑いたい。
笑わせることができたなら、僕は笑えるんだ。
過去だって笑い飛ばせる。
忘れたくない過去も含めて、振り返ることだってできちゃう。
未来だって所詮はまだ存在しない存在。
笑い飛ばせるのかもしれない。
君には、なりたいものがあるかい?
僕も、僕もあったよ。
あるよ、今でも。
助けてくれたら、なんてもう思わないよ。
君のこと、笑わせたい。
この世界、残酷、最悪、やるせない、毒だ、真実はない、嘘が上手い、愛はどこ、優しさは偽善、だとしたって、だとしたって。
今日も——。
幸せに、なってみせる。
なって、みせる。
なって、なって、なって。
僕が笑ってやるんだ。
笑いたい、笑わせてくれ。
そのために君も笑わせたい。
本当の幸せは一人じゃ無理だから。
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