手紙
陽月
1通目 雪、花畑、寝起き
原田 真鈴さま
はじめまして。森野彩香(あやか)といいます。『文人通信』8月号のペンフレンド募集のコーナーを見て、お手紙を書いています。
少しだけ、自己紹介を。私は、高校 1年生で、読書部という名の帰宅部です。一応、読書はちゃんとしています。田舎なので、電車の本数が少なくて、学校に間に合うのですと、30分早く着いちゃうんです。それで、その時間に。その日の授業の予習をしていることも多いのですが。日付の出席番号の人から当てていく先生が多くて、自分の出席番号の日は、必死です。森野なので、後ろはや・ら・わ行だけなので、32番以降になれそうなのですが、残念ながら今年は30番でした。
読書は好きなのですが、読書感想文は苦手で。高校生になっても、夏休みの宿題に読書感想文が入っているので、今から気が重いです。読書感想文に何を書こうなんて考えながら読んでいると、楽しくありませんし。
兄弟は妹が一人います。 6つ離れていて、小学 4年生です。そうそう、この前、昼寝をしていたら、何か冷たくって起きちゃったんです。なんだろうって思ったら、妹が氷を私のほっぺに当ててたんですよ。それで、そんな事をして起こされた私に「起きた、起きた」って楽しそうに。私としては、起こされて不機嫌なわけですよ。そこに「お姉ちゃん、雪を食べよう」って言うんです。私としては、???な状態です。昼寝起きのまだはっきりしない頭で、この暑いのに何を言っているのだと、頭の中はどんなお花畑なのだろうかと思いました。さて、何のことだと思います? だいたい想像はつくでしょうか。かき氷のことでした。おばあちゃんに、「お姉ちゃんを起こしておいで」って言われたらしくて。あっ、うちは両親共働きで、昼間はおばあちゃんと私と妹なんです。私達も、夏休みでなければ学校なんですけど。
実は、これが私の本当に初めてのお手紙なんです。それで、何を書いたらいいのかもよくわからなくて、こんな感じになりました。文通をやってみたいなと思っていて、同い年で、読書が好きと言うことでしたので、勇気を出して一歩踏み出してみました。本のお話とかできたらいいなと思っています。
返信用の切手を同封していますので、よかったら使ってください。
それでは、お返事楽しみにしています。
20XX. 7. 25
森野 彩香
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